最近、キャンプ用品を探すとSoomloom(スームルーム)って良く見かけませんかか? ポリコットンTCのテントやタープ、チタンペグなど相場が高い素材のキャンプギアをお手頃価格で販売しており、興味が湧きます。
しかし、メーカーの国が中国なのか日本なのかも良くわからない謎が多いメーカーです。そこで一体、どんなメーカーなのか調査しました。またSoomloom製のおすすめ商品や今年発売された話題の商品もご紹介します。
さらにSoomloom全商品の最安値もお教えします。Soomloomについてもっと知りたい方は、ぜひご一読ください。

CAMPxGEAR編集長
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Soomloom(スームルーム)ってどんなメーカー?
結論から言うと、中国のメーカーで日本では「株式会社Y.H.S」が主たる販売代理店です。価格は格安、品質はそこそこで大手国産メーカーに比べて初期不良は有りますが、不良品交換など顧客対応は心配なし。
厳密にはSoomloomという会社は存在しないため、メーカー名ではなくブランド名です。ただし、複数ブランドを展開しているというわけでもないので、ここではブランド名=メーカー名として取り扱います。
「Soomloom」で検索すると「soomloomは中国広東省に2012年ぐらいにできたブランド」という情報がヒットしますが、これは誤りです。公式のAmazonで
Soomloom(スームルーム)は2015年に誕生したアウトドア&スポーツブランドです。
弊社はspeed 速度 manufacture 製造 luminous 明るさmultifunction 多機能さ を企業理念の中心としてお客様に心から喜んで頂ける企業を目指します。
引用:Amazon
と掲載しています。
どんな商品を取り扱っているのか?
Soomloomは高単価の素材をお手頃価格で販売している点で人気があり、特に
- ポリコットンTC素材のテントやタープ
- チタン製や黒電着塗装処理のペグ
がとても好評です。具体的なおすすめ商品をご紹介していきます。
おすすめできるポリコットンTC素材のテントやタープ
「Soomloom HAPI 2P」は、冬キャンプに適しているポリコットンTCのワンポールテントです。サイズはソロキャンプかデュオキャンプ用になります。ポリコットンTC素材なのに旧型なら16,999円という激安価格で販売されています(2022年11月20時点)。
通常のワンポールテントより前室が広く、キャノピー(ひさし部分)が大きいので、タープがなくても十分な事足りるサイズです。
またポリコットンTC製のタープも人気が高く、2022年10月に実施した楽天市場ランキング調査では、ヘキサタープがポリコットンTCの中で3位、レクタタープが1位という結果でした。価格もヘキサで8,790円〜レクタで8,901円〜と激安です。(2022年11月時点)
特にタープは製造工程に複雑な加工がなく、商品の当たり外れが少なくおすすめできます。
おすすめできるチタンペグと黒電着塗装処理ペグ
2022年11月20日時点調べで、楽天市場のテントアクセサリーランキングからチタンペグに限定するとSoomloomが1位です。またAmazonで「チタンペグ」で検索し、レビューの数で並べてもSoomloomが1位です。
現時点でチタンペグは国内メーカーはあまり発売していないため、店頭での販売数は少なく、日本で一番売れているチタンペグと言えるでしょう。
また黒電着塗装処理された黒いスチールペグが安く、人気があり、おすすめできます。ただし、こちらのペグは鍛造ペグではなく、鋳造ペグです。ガイロープを掛けるフック部分を溶接した商品で、鍛造ペグより強度に劣りますが価格を半分以下にまで下げられています。
ペグの種類について知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
2022年に発売された話題の商品
続けて今年発売され、話題になっている商品を2つご紹介します。
1つめはポリコットTC素材のパップテント。「Military tent Multi」です。
2022年8月に販売されました。同シリーズは初代の「Military tent」が好評で、サイドウォールなどが改良された「Military tent X-large」が販売。またもや好評となり、さらに改良されたのが今作となります。
これまでとの大きな違いとしては「煙突穴付き」と「高さ」です。煙突穴がデフォルトが付いたことで、冬キャンプで薪ストーブを大幅に使いやすくなりました。
また高さはMilitary tentが110cm。X-largeが118cmでしたが、Multiは135cmと最も余裕がある作りとなりました。それでいて価格は19,999円と激安価格のままです。(2022年11月20日時点)
2つ目はゴールゼロと見た目がそっくりなライトが発売されました。
ここまで似ていて大丈夫なのか心配になりますが、法律的には不正競争防止法2条1項3号(商品形態模倣行為)は3年経過で無効となるため、意匠登録なり特許なりがないと模倣できてしまいます。ゴールゼロの発売から3年以上過ぎていますので、その辺はクリアした商品だと思われます。
見た目から、いまだに入手が困難のゴールゼロから劣化した代替品をイメージしてしまいますが、口コミの評価は悪くなく、性能が優秀だと評判です。
こちらの動画で明るさなどを比較されていますが、ゴールゼロより明るい商品になっています。
Soomloomについて詳しく調査
Soomloomで検索するとさまざまなサイトで「Soomloom、soomloom、SOOMLOOM、スームルーム」と4つの表記が使われています。ブランドのロゴを見ると大文字の「SOOMLOOM」となっていますので、一見これが正しそうに見えますが、先頭だけ大文字の「Soomloom」が正式な名称です。
これは特許情報プラットフォームで商標検索すると
【登録番号】商標登録第5883524号
【登録商標】Soomloom
【出願日】2016/4/13
【商品区分】 28 重量挙げ用具,ボクシング用具,球技用具,運動用固定式自転車及びそのローラー,腹筋強化用運動具,その他運動用具,ビリヤード用具,遊戯用器具
【名称】株式会社Y.H.S
と登録されているのが確認出来ます。英語が全角文字なのは商標の標準文字という仕様に合わせたためで、実際の使われ方は半角アルファベットと考えられます。
また商品区分が第28類と特殊です。通常のキャンプ用品メーカーは第22類で「ハンモック,ターポリン,雨覆い,天幕,日覆い,登山用又はキャンプ用のテント」などを指定してますが、それらが入っていません。(すでに出願した商標に後から区分の追加はできないため、おそらく新規での申請が漏れている状態で、テントなどに関しては2022年11月時点でSoomloomは商標がない状況)
これはSoomloomはもともとは腹筋ローラーなどを販売することを目的にたち上げられたブランドからだと推測されます。現在もSoomloomのAmazonの公式サイトには掲載されていませんが、腹筋ローラーがAmazonで販売されています。
またSoomloomの商品を楽天市場で特殊な検索をするとメーカーとJANコードが判明します。例えば「Soomloom タープ Adranus」を検索すると
【メーカー】Y.H.S
【JANコード】4573311009155
だとわかります。
ここからさらにGS1登録事業者情報検索サービスを使い、GS1事業者コードの貸与を受けている事業者(=JANコードの管理会社)を確認すると、事業者情報として
(株)Y.H.S
〒330-0801埼玉県さいたま市大宮区土手町3-278-1クリオ北大宮壱番館314JP
という情報が得られ、この会社の情報をさらに調査すると
楽天市場店舗名:NEVER CHANGE楽天市場店
会社概要:代表者 日下部 恵
だとわかります。商標登録やJANコード管理を行っていることからして、Soomloomキャンプ用品の日本販売に関しては「(株)Y.H.S」が多くの実権を握っています。
また、こちらの会社で倉庫内作業の求人には、テントなどアウトドア用品の取り扱いがあったことから、中国の製造元からこちらの会社が管理している倉庫に届き、そこから通販していると思われます。
Amazonに掲載されている出品者は「会社名:Soomloom Co.Ltd」と日本に存在しない会社になっています。Amazon内の特定商取引法に基づく表記にある住所は「(株)Y.H.S」の引っ越し前の住所と思われ、現住所から直線で1kmの位置になっています。
「(株)Y.H.S」が全面に出てくるため、Soomloomはこの会社が企画したOEM商品(プライベートブランド)ではないかという推測している人もいるようですが、2022年8月にSoomloomの公式ショップサイトがオープンしました。
このサイトの「特定商取引法に基づく表記」を確認すると「(株)Y.H.S」ではなく
- 【販売業者】ミラクルジャパン株式会社
- 【代表責任者】王 月華
- 【所在地】埼玉県上尾市瓦葺2192番地22
と別の会社の、中国人と思われる代表責任者であることが確認できます。また「ミラクルジャパン株式会社」で楽天市場でSoomloom製品が販売されており、「(株)Y.H.S」とは競合関係にあります。
他にはSoomloomの腹筋ローラーなど筋トレ系の詳細を楽天で調べると「メーカー:ABC流経貿易」と別のメーカーになっています。
公式サイトの運営会社代表が中国人であること、複数の販売店に商品を提供していること。商品によって日本側の管理会社が違うこと。これらのことより、Soomloomというブランドを企画している中国メーカーが別に存在することが推理されます。
ただ、面白いことにSoomloomは中国では中国メーカーと認識されていません。中国人によるキャンプメーカー紹介記事で
5.soomloom 出了几款帐篷一个牌子 日
となっており、日本のメーカーだと認識されています。
このように謎が多いSoomloomですが、2021年12月に中国で商標登録が行われています。そこには
【申请主体】绍兴速龙户外科技有限公司(翻訳名:Shaoxing Sulong Outdoor)
となっており、この会社の紹介サイトには屋外用テントの製造が掲載されています。さらに、募集職種にアウトドアプロダクトデザイン職がありますので、Soomloom商品の企画、製造はこの会社である可能性が高いです。
ただ、この会社が1から企画にしては中国での商標登録の年月が遅すぎることや、中国でこれまで発売していなかったことからすると、ブランドとして企画、運営は他の会社で、こちらの会社に商品企画から発注している可能性が高いです。
Soomloomの品質や対応は?
「Soomloom」というキーワードでTwitterを8/20〜11/20の3カ月分を全て確認しました。「Soomloomの商品を買いました」という声は数多くありますが、それの不具合やトラブルなどの報告は1件も見当たりません。逆に開封、使用してみて想像より良かったという声はそこそこ見かけます。
本家のGストーブは手が出ないのでsoomloomの本家ってぽいやつ(笑)半額以下だけど想像以上に作りがしっかりしていたので、とりあえず一安心
Twitter
soomloomのLEDランタン
これはやばい、 明るいしメインランタンでも使えそう!
Twitter
SoomloomのX-largeで初めての一泊 雨が降るかもで、前幕は付けずに設営、サイドウォールで両サイドを気にせず籠れる感じが良かった 少々雨に降られましたが撥水も効いてました
Twitter
またAmazonで販売店としてのSoomloomの評判を確認すると、過去12ヵ月間で評価1385件中、93%が肯定的 、4%が普通、3%が否定的という結果です。(2022年11月22日時点)
否定的な意見の中身を確認すると
テント入り口のファスナー部分がおかしく、商品写真のタープスタイルができません。交換は受け付けてないのでしょうか?
Amazon
テント入り口のファスナー部分がおかしく、商品写真のタープスタイルができません。交換は受け付けてないのでしょうか?
Amazon
Amazon
五徳が噛み合いませんでした、返品交換するつもりです。
このような声が散見されました。これは中国メーカーにありがちな検品が不足による初期不良トラブルです。商品到着から30日以内などの条件はありますが、初期不良はSoomloomでは交換対応してくれます。
こういった評価は購入して満足している人はあまり投稿せず、不満を強く持った人が投稿しますので、このようなトラブルに出会ってしまう可能性は0.1〜1.0%程度だと思われます。中国の激安メーカーにしては頑張っているというのが個人的な所感です。
中国メーカーの場合、発送などが心配ですが、Soomloom製品をAmazonで購入した場合、「フルフィルメント by Amazon(FBA)」での対応となります。FBAは
フルフィルメント by Amazon(FBA)は、Amazonの配送ネットワークを使って販売事業者様のビジネスの成長を支援するサービスです。Amazonフルフィルメントセンターに商品を納品いただきましたら、その注文の受注、梱包、発送、カスタマーサービス、返品対応のすべてをAmazonが代行いたします。
Amazon
という取り組みで、箱がつぶれているなどは配送トラブルはAmazonが責任を持って対応してくれますので安心です。
楽天市場で購入した場合は「(株)Y.H.S」の対応になりますが、Soomloomは代理店が国内(埼玉県)なので返品や交換対応が迅速で親切だったという声が見かけられます。
約54cmと記載しましたが、自分が購入した分には明らかに50cm未満のポールが入っていました。しかしメーカーに連絡をとるとすぐに返品を受けてくれ、再購入した分は問題ありませんでした。その時の返品交換対応がとても良かったので、以来このメーカーを信用するようになったのです。
残念キャンプでごめんなさいっ!
このような初期不良の可能性からキャンプ場に行く前に十分にチェックが必要ですし、発生してしまった場合は返品、交換対応も大きな手間ですので、それらが嫌な人は安心の国産メーカーのほうが良いでしょう。
しかし、多くの人にとって発生リスクの低さと価格の安さを鑑みれば十分選択肢となるメーカーです。
Soomloom全商品の最安値【2022年11月】
現在Soomloomからはどのような商品が販売されているのか。Soomloom全商品(公式ショップに登録されている全30商品、オプションは除外)について商品と、各商品の最安値を調査しました。(2022年11月21日時点)
Soomloomのテント
Soomloomで現在販売されているテントは全13種類です。内訳はシングルドームが1種類、トンネルテントが2種類、ワンポールテントが5種類、ベル型テントが1種類、ロッジテントが1種類、パップテントが2種類、超大型が1種類です。
シングルドームテント
- 景山2:(8,970円〜)
トンネルテント
- 林間:売り切れ中
- Supernova:(Amazon:59,999円〜)
ワンポールテント
- Pristine S:(Yahoo!:12,899円〜)
- HAPI 2P:(楽天:19,700円〜)
- HAPI 2P khaki(スカート付き):(楽天:19,800円〜)
- HAPI 4P:売り切れ中
- HAPI 4P inner:(楽天:33,680円〜)
ベル型テント
- All.in:(Yahoo!:69,287円〜)
ロッジテント
- Dodona 4P:(Amazon:29,700円〜)
パップテント
- Military tent:(Amazon:14,900円〜)
- Military tent X-large:(Amazon:17,900円〜)
超大型
- Marshmallow:(3サイト同額:149,900円〜)
Soomloomのタープ
Soomloomで現在販売されているタープは全4種類です。形状がヘキサタープ、ペンタタープ、ウィングタープの3種類で、素材はいずれもTC素材で、ヘキサタープのみ素材がポリエステルも用意されています。
- ヘキサタープ(ポリエステル):(楽天:5,680円〜)
- ヘキサタープ(ポリコットンTC):(Amazon:8,790円〜)
- ペンタタープ:(Amazon:8,890円〜)
- ウィングタープ:(Amazon、楽天同額:8,890円〜)
ポリエステルやポリコットンなど素材の違いや、ヘキサやペンタなど形状の違いがわからない方はこちらの記事を参考にしてください。
Soomloomのペグ
Soomloomで現在販売されているペグは1種類です。黒電着塗装処理の鋳造ペグで、フック部分が溶接です。20cm、25cm、30cmの3つ長さ違いと、入数の違いでバリエーションが販売されています。
- スチール ペグ20cm 16本セット(Amazon:1,770円〜)
Soomloomのポール
Soomloomで現在販売されているポールは全3種類です。スチール製が分類型の1種類、アルミ製が伸縮タイプと、分離タイプの2種類です。
- スチール製:(楽天:1,980円〜)
- アルミ製伸縮タイプ:売り切れ中
- アルミ製分類タイプ:(Amazon:4,970円〜)
Soomloomの寝袋(シュラフ)
Soomloomで現在販売されている寝袋(シュラフ)は全2種類です。マミー型と封筒型に分かれています。マミー型はさらに羽毛量で4種類のバリエーションが、封筒型も羽毛量で2種類のバリエーションがあります。
- マミー型:(Amazon:9,970円〜)
- 封筒型:(Amazon:6,999円〜)
寝袋は封入されている羽毛量によってどれぐらいの温度まで使用できるかが変わります。Sooomloomの寝袋には快適温度やコンフォート温度が記載されていますので適切なバリエーションを選んで下さい。
快適温度などの意味がわからない方はこちらの記事を参考にしてください。
Soomloomのマット・コット
Soomloomで現在販売されているマットが1種類、コットが1種類です。コットは高さをハイ・ローの2段階に切り替えられます。
- マット:(楽天:2,280円〜)
- コット:(楽天:8,890円〜)
Soomloomのテーブル
Soomloomで現在販売されているテーブルは全2種類です。いずれもアルミ製折りたたみテーブルで、天板の大きさとランタンフック付きという違いがあります。
- アルミ製折りたたみテーブル:(Amazon:2,199円〜)
- アルミ製折りたたみテーブルランタンフック付き:(3,824円〜)★タイムセール中★
Soomloomのチェア(椅子)
Soomloomで現在販売されているチェア(椅子)は全2種類です。どちらもロースタイル型でフレームがアルミ・生地がナイロンの組み立て式と、フレームが天然木・生地がポリエステルの折りたたみ式の2種類です。
- 組み立て式:(楽天:3,680円〜)
- 折りたたみ式:(Amazon:9,970円〜)
Soomloomの焚き火台
Soomloomで現在販売されている焚き火台は有りません。ECサイトには以下のような焚き火台が販売されていますが、公式で売り切れなのか廃盤なのかは現時点では不明です。
Soomloomの薪ストーブ
Soomloomで現在販売されている薪ストーブは有りません。ECサイトには以下のような焚き火台が販売されていますが、公式で売り切れなのか廃盤なのかは現時点では不明です。
Soomloomまとめ
改めて調査しても、性能はそこそこなのに非常に安い。という感想しか出てきません。性能について、複雑な商品ほど縫製が甘いなどは発生しますが、加工が少なくシンプルな商品ほどそのようなトラブルは発生しません。そのため各種タープ、チタンペグはSoomloomでもイチオシのおすすめ商品です。
中国メーカーにありがちな初期不良リスクはどうしても高いですが、発生したとしても日本販売店が窓口で交換対応はしてくれるので、そこから大きなトラブルはなりにくいです。
初期不良の発生確率x手間と、価格の安さのどちらを取るかですが、一般的な人であれば十分魅力的な価格です。機会があれば、Soomloom製品のタープやチタンペグを検討してみてください。