テント選びに迷っていませんか?たくさん種類があるテントの中から、今回はベルテントの種類やメリット、デメリットなどベルテントのすべてをご紹介します。
また、選ぶ際のポイントやビギナー向け商品、上級者向け最強商品、人気ランキングも紹介します。かわいい見た目で機能的なベルテントについてもっと知りたい方は、ぜひご一読ください。

CAMPxGEAR編集長
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ベルテント(ベル型テント)とは
ベルテントとはポールと生地から構成され、宿泊・休憩のため雨、風、虫を防ぎ野外で快適に過ごせる空間を作り出すキャンプギアです。
外観が鈴(ベル)の形に似ているからベルテントと呼ばれています。
ベルテントはポール型に分類されます。ドーム型やトンネル型のテントはポールが生地の外側にあり、生地を引っ張り上げるのに対し、ポール型は生地を内側から突き上げる形で支えます。
ポール型には派生元となったワンポールテントやポールが2本の2ポールテント(2ポールシェルター)もあります。
このページではベルテントについて初心者でもわかりやすいように解説して行きます。
特徴
ベルテントは円形や六角形のような底面と50〜80cm程度の立ち上がった側面(サイドウォール)を持ち、その上に円すいを載せた形をしており、まるで鉛筆の先端のような外見が特徴です。
ベルテントは閉じた空間を作り出すために防水性のある生地で全体を覆います。高さを作り出すために他のテントより太く頑丈な1本のポールをテントの中央に置き生地を支えます。
また入口部分にも大きく開口できるようにフレームを追加し、出入りがしやすいなど利便性を高めている商品が多いです。
外見がオシャレと評判で、生地にコットンやポリコットン(TC)を採用した商品は柔らかい白色で高級感と清潔感があり、女性から人気が高くグランピングでも良く利用されています。
ベルテントの組み立ては内側からポールを持ち上げるだけなのでシンプルで簡単です。
しかしペグダウンが必要な非自立式のため自立式より設営が難しいです。
ベルテントでは床面部分を通常は6〜12カ所のペグダウンを行います。加えてサイドウォールを形成するために、サイドウォールの一番上の位置からガイロープで外側に引っ張るように8〜12カ所ペグダウンします。
風が強くなければワンポールテントでは床面のペグダウンだけで済みますが、サイドウォールのため追加のペグダウンが必須なのがワンポールテントとは異なります。
床面はしっかりテンションが掛かっていないと、ポールを持ち上げても倒れてしまいます。
またペグはその全部が適切な深さまで刺さっていないと強風でペグが抜け、やはりポールが倒れてしまいます。
そのため地面の状況や天候の予報に合わせてペグの長さを変えたり、強度を高めるためにペグを2本使用するなど経験による調整が必要です。
自立式のテントは多少ペグが緩くても実影響は少ないことが多いですが、非自立式はテントの倒壊を起こしてしまうのであまりミスが許されません。そこが大きな違いで難易度が高い理由です。
それでも慣れると設営時間が短いテントです。
多くのベルテントは1部屋しかありませんので、調理、飲食を行うリビングスペースのために別途タープを張ります。
ただしグランピングなどで使われるベルテントはかなりの大型で1つの部屋の中に寝室スペースとリビングスペースがセットされています。
特にテントにタープとの結合用のアダプターがあるタイプは、トータルの設営がもっとも手早くできるテントの1つです。
風がなくてもベルテントはワンポールテントに比べると倍近い本数のペグを打ちます。もっともペグダウンするテントです。
地面の状況が良く、良質なペグとペグハンマーがあるならば8本程度追加するのに数分しか掛かりませんのであまり気になりませんが、なかなか地面に刺さらないときは非常に手間です。
ペグとペグハンマーは良質なものを別途購入することをオススメします。
種類
ベルテントは生地がポリエステルかコットン・ポリコットン(TC)のどちらかが大きな違いとしてあります。
一般的なテントはポリエステルがほとんどなので生地を先に選択することは少ないのですが、ベルテントでは販売されている半数以上がポリコットン(TC)です。
また純粋なコットンでもキャンバス生地など他では見かけないような生地にこだわった商品もあります。
生地の素材の違いはこちらの記事で解説しています。
コットンやポリコットンは耐久性に優れ、手触りや見た目などの風合いが良いのですが、かなりの重さになります。
またサイドウォールの高さが従来より高い商品も出てきており、それらは特性が大きく異なります。
例えばDODのタケノコテントはサイドウォールが140cmもあります。
重心が高くなったことで、もうベルとは言い難いロッジ型に近いカジュアルな見た目ですが、後ほど述べる通気性や天井が低いというデメリットが大きく改善されます。
他に細かく各商品を比較すると
- メッシュのサイズやベンチレーターの数による通気性対策
- 床面は分離が可能か
といった違いがあります。
ベルテントは構造的に通気性に課題がでやすいので各メーカーがいろいろ工夫をほどこしています。
メッシュやベンチレーターの工夫が多いと通気性が良くなり暑いときの快適さが違います。
またベルテントの多くはシングルウォール型でインナーテントはありません。テント内全体ではなく部分的なインナーテントがオプションで販売されている商品はあります。
そのような商品でも床面がファスナーで分離できる商品はカンガルースタイルやコット寝などのスタイルが選択できます。
メリット:収納サイズが小さい、慣れると設営が早い、冬場に強い
ベルテントには次のメリットがあります。
- シンプルな構造で慣れると早く設営できる
- 収納サイズが小さく置き場所に困ることが少ない
さっと設営出来るので外遊びや料理などにたくさん時間をとりたい人にオススメです。
また生地の素材がポリコットン(TC)の場合
- 手触り・見た目の風合いが良い
- 吸湿性があり結露しにくい
- 難燃性で小さな火の粉では穴が開かない、薪ストーブの利用でも安心
- 遮光性が高く朝日で目が覚めにくい
というメリットが追加されます。
デメリット:熱帯夜は避けたい、導線に張り綱が来る、雨音が近い
一方、ベルテントには次のデメリットがあります。
- 30度を超えるような夏キャンプは苦手
- テントを出て左右移動時にガイロープ(張り綱)に引っかかる
- 平均的に天井が低い
- 就寝中に聞こえる雨の音が他のテントより近い
- 雨天時はタープとテントの結合部に雨が吹き込んだり水たまりが出来る
生地を突き上げるポール型は生地に強いテンションが常時掛かるので、大きなメッシュ窓は破けてしうので構造的に作れません。
サイドウォールが全面的にメッシュに出来る商品はありますが、外から見える、外の光が目につく、位置が低く砂ぼこりが侵入しやすいなどの問題があり、特に就寝時は開けたままにしづらいです。
そのため熱帯夜はポータブル電源で複数台の小型扇風機を常時回すなどの対策が必要です。
あまり真夏の時期にはオススメできません。
次にテントの中から見て左右の斜め前方向にもガイロープを張る必要があるため、他のテントより移動の導線を考えたとき、邪魔になるガイロープが多くなります。そのため子供がロープに足を引っ掛けやすいです。
タープを連結させる形で張る場合も、タープ内でのレイアウトの邪魔になる場合があり、明らかなデメリットです。
またベルテントはワンポールテントよりは改善していますが、それでも他のテントより天井は低いです。
例えば幅4.0m(半径2.0m)で高さが2.0m、サイドウォールが0.5mのベルテントの場合、高さが180cm以上あるスペースは中央のわずか幅53cm程度のスペースです。
さらに中央にはポールがあるため複数人が同時に着替えなどは窮屈です。
他にワンポールテントより改善はしていますが、やはり天井が低いことで雨天時は他のテントより雨音が近く、大きく聞こえます。そういうのが気になる人はオススメできません。
またベルテントは入口が左右巻きの計上が多いです。タープと結合できるような商品が多いですが、どうしても隙間から水が吹き込んだり、テントを伝って水が滴り落ちて水たまりができます。
また生地の素材がポリコットン(TC)の場合
- ポリエステルより圧倒的に重い
- ぬれると乾きにくい
- しっかり乾かさないとカビが生えやすい
というデメリットが追加されます。
初心者におすすめのベルテント
他の記事では初心者にオススメのテントを1つ選んでいるのですがベルテントでは初心者にオススメできる商品はありません。
そのうちどこかのメーカーから初心者にもオススメできる商品が出てくるかもしれませんが、少なくとも現時点では販売されていません。
理由は
- 非自立式で設営の難易度が高い
- 性能を一番発揮する冬キャンプはハードルが高い
- 高額商品が多く安い商品の中に十分な品質だと言える商品がない
という3点です。見た目が気に入ったという人もいるかもしれませんが、まずは見た目が近いワンポールテントから初めてみてはいかがでしょうか。
テントのよくある質問
キャンプ用品専門店、スポーツ用品店、登山用品店、ホームセンター、メーカー公式サイト、AmazonなどのECサイトで購入できます。
ご自宅の近くにWild1などキャンプ用品専門店があるならそちらが、無い場合は公式メーカーが運営しているAmazonなどが確実に保証されますのでオススメです。


ベルテントの選び方
たくさんのメーカーからいろいろな特徴を持って販売されているベルテントはどうやって選べばよいのでしょうか。
テントの形状の違いや素材の種類などテント選びの基本的なポイントを知りたい方は次の記事を参考にしてください。
ベルテントを選ぶ場合は特に
- 利用人数は実際の人数+1名以上で十分な広さがあるか
- 家族の身長を考えて実用的な高さがあるか
- タープとの連結オプションはあるか
といった一般的な居住性、利便性と
- 生地はポリコットン(TC)か
- 煙突穴は開いているか、もしくは開けられるか
という冬キャンプで活躍できるかに注目ください。
デメリットで記載のとおり真夏にベルテントは相性が悪いです。一方で真冬には最強のテントの一角です。
いずれは冬キャンプを楽しみたいと考えている人はそれを見越して選ぶと良いでしょう。
私が選ぶ最強のベルテント
私が選んだ最強のベルテントは元祖といわれている「ノルディスク アスガルド19.6」です。
- 高さ3.0m、4.7mの広々サイズ
- ポリコットン(TC)素材で遮光性と通気性が良く、火の粉にも強い
- お座敷スタイルで4人家族でもタープも不要の最速設営
公式で8〜10人用と記載される大型テントです。天井が高く広い空間で閉塞感がありません。
これだけのサイズがあるとワンルームでもお座敷スタイルでリビングスペースと寝室スペースを確保できます。
薪ストーブにせよ、灯油ストーブにせよ水蒸気を発生しますので、冬キャンプは透湿性が高いポリコットン(TC)やコットンの生地を持つテントが向いています。
雪が降るような本格的な冬キャンプで引きこもるのに向いています。
冬に薪ストーブなど本格的なキャンプにチャレンジしたいと考えている方にオススメです。興味を持った人は、ぜひお試しください。
ベルテント最新人気ランキング
ベルテント商品の人気はどのようになっているのか。楽天のワンポール型テントランキングを元にTOP10を調査しました。
順位 | メーカー名 | 製品名 | 生地素材 | 価格 |
---|---|---|---|---|
1位 | TOMOUNT | ベルテント | ポリコットン(TC) | 56,999円 |
2位 | S'more | Bello 400 | ポリコットン(TC) | 84,980円 |
3位 | ローベンス | クロンダイク | ポリコットン(TC) | 91,980円 |
4位 | ノルディスク | アスガルト | ポリコットン(TC) | 168,800円 |
5位 | ogawa | グロッケ12T/C | ポリコットン(TC) | 113,300円 |
6位 | KingCamp | ベルテント ワンホールテント | ポリコットン(TC) | 89,780円 |
7位 | Naturehike | Brighten 12.3 Cotton Pyramid Tent | ポリコットン(TC) | 69,990円 |
2022年9月26日~10月2日の期間を対象として楽天が2022年10月5日に公表したワンポール型テントランキング(売上や取り扱い店舗数などから楽天独自ランキング)を元に、
- ベルテントを対象として抽出
- ワンポールテントは除外
- ノーブランド、ショップブランドを除外
- 同一商品の販売店違い、色違い、サイズ違い、オプション違いを除外(最上位のみ掲載)
を行った。また商品情報が不足時はメーカー公式サイトやネットに公開されている取扱説明書の情報を元に追記した。
ベルテントは種類も少ないこともあり残念ながらTOP10は集まらず、TOP7までとなりました。
素材としてポリコットン(TC)のみがランクインしました。
安いベルテントとして話題にあがるD&R(DANCHEL Outdoor)のベルテントもランクインすると思っていたのですがランク外でした。
参考までにAmazonでは幅3.0mが¥39,999円、幅4.0mが49,999円(2022年10月9日時点)という非常に安い価格で販売されています。
1位:TOMOUNT ベルテント
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