テント選びに迷っていませんか?たくさん種類があるテントの中から、今回はワンポールテントの種類やメリット、デメリットなどワンポールテントのすべてをご紹介します。
また、選ぶ際のポイントやビギナー向け商品、上級者向け最強商品、人気ランキングも紹介します。かわいい見た目で機能的なワンポールテントについてもっと知りたい方は、ぜひご一読ください。

タニ ヤオミ

CAMPxGEAR編集長
制作記事一覧
ワンポールテント(モノポールテント・ティピーテント)とは
ワンポールテントとはポールと生地から構成され、宿泊・休憩のため雨、風、虫を防ぎ野外で快適に過ごせる空間を作り出すキャンプギアです。モノポールテントやティピーテントとも呼ばれます。
ワンポールテントはポール型に分類されます。ドーム型やトンネル型のテントはポールが生地の外側にあり、生地を引っ張り上げるのに対し、ポール型は生地を内側から突き上げる形で支えます。
ワンポールテントから派生したベル型テントやポールが2本の2ポールテント(2ポールシェルター)もあります。このページではワンポールテントについて初心者でもわかりやすいように解説します。
特徴
ワンポールテントは1本のポールのみで円すいや六角すいなどを構成し、横からみたときにキレイな三角形になるのが特徴です。外観がオシャレだと女性からの人気が高いです。
ワンポールテントは閉じた空間を作り出すために防水性のある生地で全体を覆います。また高さを作り出すために他のテントより太く頑丈な1本のポールで生地を支えます。
ワンポールテントの組み立ては内側からポールを持ち上げるだけなのでシンプルで簡単です。しかしペグダウンが必要な非自立式のため自立式より設営が難しいです。
外側へと引っ張るように6〜8カ所のペグダウンを行いますが、床面にしっかりテンションが掛かっていないと、ポールを持ち上げても倒れてしまいます。
またペグはその全部が適切な深さまで刺さっていないと、強風でペグが抜けてしまい、やはりポールが倒れてしまいます。そのため地面の状況や天候の予報に合わせてペグの長さを変えたり、強度を高めるためにペグを2本使用するなど経験による調整が必要です。
自立式のテントは多少ペグが緩くても実影響は少ないことが多いですが、非自立式はテントの倒壊を起こしてしまうのであまりミスが許されません。そこが大きな違いで難易度が高い理由です。
それでも慣れると設営時間が短いテントです。
基本的なワンポールテントは寝室しかありませんので、調理、飲食を行うリビングスペースのために多くは別途タープを設営します。
ただし一部テントには一定の大きさの前室があったり、タープの代わりになるようなとても大きなキャノピー(ひさし)を持つ商品もあります。
特に大きなキャノピーを持つタイプか、テントにタープとの結合用のアダプターがあるタイプは、トータルの設営がもっとも手早くできるテントの1つです。
ワンポールテントをティピーテントと呼ぶメーカーもあります。ティピーはアメリカの先住民が使用していた移動式住居で、何本もの木の棒を円すい型に放射状に並べて支柱とし、その周囲に革や布の生地を被せたものです。
中央天井が空いているため中で焚き火を行える特徴があり、天井中央を1本のポールで支えるワンポールテントとは外見は似ていますが構造はまったく異なります。
種類
ワンポールテントは各商品で出入口が次の5つのタイプに分かれます。
形状 | 解説 |
---|---|
左右巻きタイプ | 入り口をオープンにするには布を左右に巻き上げる形状。 |
跳ね上げタイプ | 左右についたファスナーを開けポール2本で跳ね上げたキャノピー(ひさし)を持つ形状。日差しを防ぐことには使えるがキャノピーとテント間に隙間があるため雨が降るとインナーテントに雨が入り込む。 |
サイドフラップ型 | サブポールで跳ね上げてもテント本体とキャノピー(ひさし)の間に生地を追加し雨が入らない工夫をしたモデル。 |
ヤドカリ型 | 出入口にタープ相当の広い生地を追加し、数本のサブポールで入り口を持ち上げラッパを傾けたアサガオのような形状。 |
入り口に追加フレームタイプ | 入り口に逆V字や逆U字のようなフレームを追加した商品 |
他に細かく各商品を比較すると
- インナーテントの有無
- メッシュやベンチレーターによる通気性対策
- スカートの有無
といった違いがあります。
ワンポールテントの多くはダブルウォール型でインナーテントがあります。しかしインナーテントがない商品や、シングルウォール型も販売されています。
インナーテントがない商品はソロキャンプならコット寝などのスタイルで利用し、大型では自分で好きなテントを設置するカンガルースタイルで利用します。
メッシュやベンチレーターの工夫が多いと通気性が良くなり暑いときの快適さが違います。
スカートがあると冷気の侵入を防げます。
メリット:収納サイズが最小、慣れると設営が早い
ワンポールテントには次のメリットがあります。
- シンプルな構造で慣れると早く設営できる
- 使用するポールの本数が最少で総重量も少ない
- 収納サイズが小さく置き場所に困ることが少ない
- 全体的にコンパクトなので雨にぬれてまま撤収しても乾かしやすい
さっと設営出来るので外遊びや料理などへ多くの時間を使いたい人にオススメです。
デメリット:天井が窮屈、雨音が近い
一方、ワンポールテントには次のデメリットがあります。
- 平均的に天井が低い
- 端の方は小さい荷物しか置けない
- 就寝中に聞こえる雨の音が他のテントより近い
例えば幅4.0m(半径2.0m)で高さが2.0mのワンポールテントの場合、高さが180cm以上あるスペースは中央のわずか幅40cmのスペースです。さらに中央にはポールがあるため複数人が同時に着替えなどは窮屈です。
また端の方はかなり天井が低いです。そのためある程度高さのある収納ボックスはきっちり端に寄せることはできません。先程と同じ条件のテントなら高さが40cmのボックスは端から数十cm内側からが置ける場所になり、奥側にデッドスペースが出来てしまいます。
加えて天井が低いことで、他のテントより雨天時の雨音が近く、大きく聞こえます。そういうのが気になる人はオススメできません。
ワンポールテントでも派生型のベル型を選んだり、床面積だけでは判断せず、高さも含めて内部空間が大き目サイズを買うことなどで改善はします。
なお入口が左右巻きや跳ね上げタイプのワンポールテントはシングルドームテントと同様に
- タープとテントが別の場合、雨天時は結合部に雨が吹き込んだり水たまりが出来る
- 前室が狭く荷物が入り切らないと就寝前に濡らしたくないものは車に格納などが必要
など雨天時や夜間の小雨対策など、悪天候に対しての柔軟性が低いです。
サイドフラップ型やヤドカリ型は悪天候でも安心です。
初心者におすすめのワンポールテント
初心者はズバリ「DoD ONE POLE TENT (M)」がオススメです。
理由は
- うさぎのマークがオシャレなDOD製
- Amazonで16,990円、グランドシートを付けても20,316円(2022年10月7日時点)とお手頃な価格で、品質を考えるとコスパがとても良い
- 通常利用には十分な品質のアルミ製V字ペグが付属
- インナーテントは全面メッシュでベンチレーターも付いて通気性が◎
十分に実用的でオシャレなテントです。
入り口が左右に巻き上げタイプで雨の日は苦手です。オプションのトンガリハットも購入しタープと連結するのがオススメです。
このテントの設営手順や設営後の広さ、使い勝手などは次の動画がわかりやすかったので興味がある方は参考にしてください。
テントのよくある質問
キャンプ用品専門店、スポーツ用品店、登山用品店、ホームセンター、メーカー公式サイト、AmazonなどのECサイトで購入できます。
ご自宅の近くにWild1などキャンプ用品専門店があるならそちらが、無い場合は公式メーカーが運営しているAmazonなどが確実に保証されますのでオススメです。


ワンポールテントの選び方
たくさんのメーカーからいろいろな特徴を持って販売されているワンポールテントはどうやって選べばよいのでしょうか。
テントの形状の違いや素材の種類などテント選びの基本的なポイントを知りたい方は次の記事を参考にしてください。
ワンポールテントはファミリーキャンプとソロキャンプなど少数の場合では選ぶポイントが大きく異なります。ファミリーキャンプの場合は
- 利用人数は実際の人数+1名以上で十分な広さがあるか
- 家族の身長を考えて実用的な高さがあるか
- 出入口はどのような形状でタープとの連結オプションはあるか
- 生地が厚くリビング部分は十分な遮光性があるか
など特に空間の大きさに注目してください。
ソロキャンプの場合は
- 自分の体のサイズに適切なサイズか
- ソロキャンプならタープをなしでいけるほど前室が大きいか
- 収納サイズはどこまで小さくなるか
など携帯性が注目ポイントです。
私が選ぶ最強のワンポールテント
私が選ぶ最強のワンポールテントは「テンマクデザイン サーカスTC BIG」に「サーカスTC BIGインナーセットハーフ」の純正オプション品を追加です。
- 高さ3.5m、5.2mの広々サイズ
- 入口側半分を前室にできるので雨の日も安心。3人家族ならタープも不要の最速設営
- ポリコットン(TC)素材で遮光性と通気性が良く、火の粉にも強い
- ダブルファスナー仕様で薪ストーブを使うなど本格派のニーズにも対応
サーカスシリーズは薪ストーブなどが使いやすい仕様になっており、特に冬キャンプでは良くみかける人気商品です。
またサーカスシリーズでもBIGは通常版より高さが70cm、横幅が1m大きいサイズです。この差で体積だと2倍近く増えるのでワンポールテントのデメリットの閉塞感が大幅に減ります。
もう少し本格的なキャンプにチャレンジしたいと考えている方にオススメです。興味を持った人は、ぜひお試しください。
ワンポールテント最新人気ランキング
ワンポールテント商品の人気はどのようになっているのか。楽天のワンポール型テントランキングを元にTOP10を調査しました。
メーカー名 商品名 |
入口 | 価格 |
---|---|---|
1位 Ont Tigris Northgaze ワンポールテント ポリコットン(TC) |
跳ね上げ | 31,000円 |
2位 DOD ワンポールテント(M) |
左右巻き | 16,980円 |
3位 SoomLoom HAPI 4P ポリコットン(TC) |
サイドフラップ | 33,680円 |
4位 DOD YADOKARI TENT (ヤドカリテント) |
ヤドカリ | 49,980円 |
5位 コールマン エクスカーション ティピーII/325 |
左右巻き | 18,650円 |
6位 BUNDOK ソロティピー 1 オリーブ |
左右巻き | 9,800円 |
7位 LOGOS ナバホ Tepee 300-BB |
左右巻き | 19,000円 |
8位 Mountainhiker ワンポールテント |
跳ね上げ | 16,999円 |
9位 YOKA YOKA TIPI (アルミポール) |
左右巻き | 31,900円 |
10位 WAQ WAQ Alpha TC/FT ポリコットン(TC) |
跳ね上げ | 43,800円 |
2022年9月26日~10月2日の期間を対象として楽天が2022年10月5日に公表したワンポール型テントランキング(売上や取り扱い店舗数などから楽天独自ランキング)を元に、
- ワンポールテントを対象として抽出
- ベルテントは除外
- ノーブランド、ショップブランドを除外
- 同一商品の販売店違い、色違い、サイズ違い、オプション違いを除外(最上位のみ掲載)
を行った。また商品情報が不足時はメーカー公式サイトやネットに公開されている取扱説明書の情報を元に追記した。
価格帯としては全面的にポリエステルを採用した2万円以下のローエンドモデルが5商品、ポリコットン(TC)を採用し3万円以上の商品が4商品となっています。
素材としてポリコットン(TC)を採用でも、1位、3位、10位の商品はフライシート生地がポリコットンでインナーシートは異なります。
一方4位のDODヤドカリテントはフライシートはポリエステルでインナーテントがポリコットン(TC)となっています。
9位のYOKA TIPIはナイロンを採用しています。
1位:Ont Tigris Northgaze ポリコットンTC ワンポールテント
2位:DOD ワンポールテント(M)
3位:SoomLoom HAPI 4P
4位:DOD YADOKARI TENT(ヤドカリテント)
5位:コールマン エクスカーションティピーII/325
6位:BUNDOK ソロティピー 1 オリーブ
7位:LOGOS ナバホ Tepee 300-BB
8位:Mountainhiker ワンポールテント
9位:YOKA YOKA TIPI (アルミポール)
10位:WAQ WAQ Alpha TC/FT
まとめ
かわいい見た目ながら機能も優れたワンポールテントの良さがわかってもらえましたか? ぜひ、自分に合う商品を見つけてキャンプを楽しんで下さい。

タニ ヤオミ
ワンポールテントは三角形の見た目がかわいいですよね。でも実は見た目だけでなく使い勝手もとても良いテントです。
特に薪ストーブが中に設置できる4シーズン対応タイプを持っていれば、夏場は扉部分を引き上げてキャノピーを作り、寒い時期は中に薪ストーブをいれて暖も取れます。
さらにスノースカートが付いているため地面からの風を防げるので雪上キャンプと、季節を問わずキャンプで使用することが可能です。
ただし、ワンポールテントの耐風性は普通レベルなので、かなり強い風が予報されている場合は、より安定するドーム型等、別タイプを使用することをおすすめします。