キャンプ用テントとは?初心者向けに種類や選び方、オススメ商品を解説

テント テント・タープ

テントとは

キャンプ用テント(以下テント)とはポールと生地から構成され、宿泊・休憩を目的として野外で快適に過ごせる空間を作り出すキャンプギアです。

雨、風、虫などを避けて快適な睡眠をえるためにキャンプでは必須のキャンプギアです。

ドーム型、トンネル型、ポール型、ベル型などさまざまな形状があります。

キャンプ用テントの類似商品として登山用品テントがあります。しかしキャンプ用は快適性や利便性、登山用は軽さを重視と、両者の性質は大きく異なりますので、間違わないように注意しましょう。

またレジャー用のポップアップテントもありますが、キャンプ用途では耐水性などの問題があり使えません。

このページではさまざまな種類があるテントについて初心者でもわかりやすいように解説して行きます。

制作者
CAMPxGEAR編集長

CAMPxGEAR編集長

キャンプ歴15年、日本キャンプ協会公認キャンプインストラクター。幼い頃より釣りなどアウトドアを趣味とし、毎年3〜5張りテントを購入するほど沼にハマった嫁のおかげでキャンプギアに詳しくなった人。ゴールデンウィークには10日間の遠征で4つキャンプ場を行脚して9連泊するなど家族全員がキャンプ好き。本職は上場企業執行役員CTO。
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特徴

出典:DOD

テントは雨、風、強い日差し、虫の侵入などを防ぐため、野外に閉じた空間を作り出すのが特徴です。

しかし断熱性能はさほど高くないため、防寒や防暑のためには焚き火や薪ストーブなど他で工夫する必要があります。

テントは広い空間を作り出すために強度が高く、防水性のある生地で全体を覆ってあります。また高さを作り出すために金属製のポールで生地を支えます。

キャンプ用テントは派手な色は少なく、自然になじむベージュ色、茶色、緑色。モノクロ系の白色、灰色、黒色のテントを多く見かけます。

種類

テントはポールの使い方とでき上がる形状から、大きく次の7つに分類されます。

テントの形状別分類
種類 ポールの使い方
ドーム型 逆U字形のポールを交差させた半球形
ポール型 テントの内部中央にまっすぐなポールを垂直に立てた円すい形
ロッジ型 テントの四隅にまっすぐなポールを立てた家型
トンネル型 半円型のポールを並べて立てた半円柱型
A型 寝かせた三角柱型で入り口が三角形側
パップ型 寝かせた三角柱型で入り口が長方形側
インフレータブル型 外見の形状は様々だが金属などのポールを使わずに浮き輪のような空気の力で自立

またドーム型、トンネル型、ロッジ型は部屋数により

種類 1部屋(シングルテント) 2部屋(2ルームテント) 3部屋(3ルームテント
ドーム型(ドームテント) シングルドームテント 2ルームドームテント 3ルームドームテント
トンネル型(トンネルテント) 2ルームトンネルテント 3ルームトンネルテント
ロッジ型(ロッジテント) ロッジテント 2ルームロッジテント

と呼ばれます。

また部屋数に関わらず表の行単位でまとめてドームテント、トンネルテント、ロッジテントと呼ばれ、列単位でまとめて2ルームテント、3ルームテントと呼ばれます。

さらに形状や機能の特徴から次のように種類が派生します。

ドーム型

  • ワンタッチテント
  • ツーリングテント

ポール型

これらは基本的な区分けであり、商品では個性を出すために異なる構造を融合したような形状が存在します。変わった所だと、車の天井に設置するルーフテントがあります。

また、テントと外からの見た目は一緒ですが、床面に生地がなくインナーテントもセットに入っていないタイプが存在し、その場合はシェルターと呼び区別することがあります。

その場合はインナーテントを別途購入が必要が必要ですので注意しましょう。

他にも小型のテントの場合、フライシートの有無で

  • シングルウォール型
  • ダブルウォール型

の2つに分類されます。シングルウォール型のほうが設営、撤収が簡単になりますが、結露が発生しやすいなどのデメリットが存在します。

初心者におすすめのテント

初心者はズバリ「コールマン BC クロスドーム270」がオススメです。

理由は

  • Amazonのコールマン公式ショップで18,233円と非常にリーズナブル
  • この価格なのに中は十分に広く家族4人のファミリーキャンプには十分
  • 組み立て、片付けが比較的簡単
  • 2ルームまで広くないがひさし部分があり、雨にぬらしたくものを置いておける
  • 価格が安めで誤った使い方でパーツ破損などトラブルがあったときでもダメージが大きくない
  • とても人気のあるテントでネットに情報が豊富

キャンプ場のレンタル品としてもよく、このテントを見かけます。

若干ペグの強度に不安があるので、余裕があるならペグだけ別途購入をオススメします。

テントのよくある質問

生地がポリエステルだと5〜10年。生地がコットンだと10〜15年が目安です。ただし使用回数、使用後の手入れの質、保管方法により大きく変わります。

キャンプ用品専門店、スポーツ用品店、登山用品店、ホームセンター、メーカー公式サイト、AmazonなどのECサイトで購入できます。

ご自宅の近くにWild1などキャンプ用品専門店があるならそちらが、無い場合は公式メーカーが運営しているAmazonなどが確実に保証されますのでオススメです。

登山用テントの安い製品はキャンプ用に比べて狭い、換気性が悪いなど居住性が低い商品があるのでおすすめできません。高品質の製品は、近年では居住性が高いものも増えてきていますが、悪天候にも対応できる製品のため、キャンプ用テントに比べて価格は高めです。

テントの選び方

シングルドーム型、2ルーム式、ワンポール型、ベル型などなどいろいろな形状があり、たくさんのメーカーからいろいろな特徴を持って販売されているテントはどうやって選べばよいのでしょうか。

選び方のヒントをお教えします。

ポイント1.見た目で選ぶ

テントは見た目が機能的、おしゃれ、武骨のいずれかに当てはまるものが多いです。

それぞれ用途、目的、特徴が違うので形状が異なるのですが、テントを選ぶときに一番重要なのが見た目です。

見た目を優先した結果、他の要素でさまざまな不便、不都合があってもそれらは手間を掛ければカバーできます。見た目がお気に入りなら多少手間が増えても気になりません。

しかし、機能性を優先して見た目が納得しない商品を購入してしまうと、細かい、不便、不都合が気になり、最終的にはキャンプ自体が楽しく無くなります

家族みんなで意見が異なり、なかなか決まらないこともあるでしょうが、よく話し合ってできるだけ見た目は妥協しないようにしましょう。

ポイント2.利用人数で選ぶ

テントは床面積から利用人数の目安があり、店頭やネットのECサイトには何人用のテントかの記載があります。わからない場合はメーカーサイトで確認できます。

荷物を置くスペースも必要ですので、3人家族なら4人用、実際が4人家族なら5-6人用と+1名分大きめのサイズを選択したほうが快適です。

しかし過剰に大きすぎると、その分収納サイズが大きくなり、運搬の労力が増えるので注意してください。

ポイント3.難易度で選ぶ

テントはポールと生地を組み立てるだけで済むもの(自立型)と、ペグ(地面に打ち込むクイ)を何本も打ち込む必要があるもの(非自立型)に分かれます。

ペグ打ちは下の地面の状態や天候を見据えてペグの大きさや打ち込む深さの調整が必要で一定の経験値がないと失敗しやすいです。そのため前者の自立型のほうが初心者でも失敗しにくいです。

また利用人数などで合うものがあるならば、さらに組み立てが簡単なワンタッチテントも候補になるでしょう。

難易度が低い自立型に分類されるのは形状がドーム型、ロッジ型のものです。難易度が高い非自立型はポール型、パップ型、トンネル型です。

ポイント4.価格で選ぶ

特に初心者の方は無理に高いテントを選ぶ必要はありません。

高い商品ほどハードな環境でも快適であるとか、重量や耐久性に優れているなど価値があるのは確かですが、初心者がそのメリットを感じることは少ないです。

一方、中国製などの安い商品も売られていますが、こちらもオススメできません。

中国製でも品質が良い当たりの商品もあるのですが検品が甘いため品質のばらつきが大きく縫製が甘く雨漏りする、すぐにフレームがゆがむなどのトラブルが頻発しがちです。

そのためハイエンド、ローエンドのモデルは避けて、ミドルレンジがオススメです。

具体的には4人家族だと2ルームの実売価格が4〜6万円程度の大手メーカー、エントリーモデルが無難です。

ポイント5.大きさ・重さ・収納性で選ぶ

キャンプの荷物は増えていき、車への積載がドンドンつらくなっていきます。また自宅での収納場所にも困ります。ファミリーキャンプで

  • マンションに住んでいる
  • 車のタイプがミニバンではない
  • 幼児がいる

いずれかに当てはまる場合、2ルーム式を選択し、タープなどは買わないのがオススメです。

設営時の自分なりのアレンジ幅が狭まりますが、荷物が減り設営も楽になるメリットがあります。

それでもタープを使いたいのならばちょっと難易度があがりますが、シングルポール型がオススメです。

テント内部の空間の広さは

  • ロッジ型 > ドーム型・トンネル型 > ポール型

です。シングルポール型は内部空間が狭い分、生地が減りそれを支えのに必要なポールの重量も減ります。

ポイント6.素材・生地・耐久性で選ぶ

テントの生地は

  • ポリエステル
  • ナイロン
  • コットン
  • ポリコットン

の4つに大きく分類されます。

合成繊維のポリエステル、ナイロン。天然繊維のコットン(綿)、ポリエステルとコットンを混ぜて両者の良い所取りを狙ったポリコットンです。

それぞれのメリット、デメリットは以下の表のとおりです。

 

生地の素材 通風性 吸湿性 含水性 速乾性 難燃性 重量 価格
ポリエステル
ナイロン
コットン
ポリコットン

大きな違いはとして、ポリエステルとナイロンは水に強いが熱に弱い。コットンは水に弱いが熱に強い。ポリコットンは水にもそこそこ強く、熱に強い

コットン(綿)だと燃えやすそうだとイメージする人もいると思いますが、実際は熱に強く、火の粉が落ちても穴が空きにくいです。

ただし色が変わったり、コーディングが劣化はするので、落ちてからも消えずにくすぶってる大きい火の粉を放置して良いわけではありません。

対してポリエステル、ナイロンは火の粉ですぐに穴が空きます。焚き火やバーベキューなどをする場合はテントとの距離に注意しましょう。意外と遠くまで弾けます。

他に素材としては紫外線で劣化しにくく、劣化しやすいなどの差もありますが、UVカットコーディングはされているのが標準ですので、その差は感じません。

 

またテントのポールの素材は

  • アルミニウム合金製
  • スチール製
  • FRP(カーボンファイバーなど)

の3つです。

それぞれのメリット、デメリットは

生地の素材 重量 サビ 強度 価格
アルミニウム合金製
スチール製
FRP

です。一般的なファミリーキャンプ用途であればバランスが良いアルミニウム合金製がオススメです。FRPの強度もちゃんとしたメーカーであれば余裕をもった設計をしていますので通常の利用に問題はありません。大型のテントや荒天時での利用などを想定する場合はスチール製が安心感があります。

 

ポイント8.ネットの情報量で選ぶ

テントは使い方が直感的にはわかりづらいものが多々あります。

大手メーカーは公式サイトに充実した情報が掲載されています。また人気のあるテントであれば、個人ブログやYouTubeに情報があります。

特に初心者はできるだけネットに情報がある商品のほうが安心です。

しかし、小さなメーカーの場合、商品はとても良いけどネットには古い情報しかないことがあります。そのような商品は、ある程度他の商品で使い方を理解してから購入することをオススメします。

一部大手を除いた海外商品も初心者のうちは避けたほうが無難です。下手をすると英語の説明書しかありません。

私が選ぶ最強のテント

私が選んだ最強のテントはテントの「ノルディスク アスガルド7.1」です。

  • ベル型の見た目がとてもカッコいい
  • ワンポールがベースで設営、撤収がとっても楽
  • 素材がポリコットンで結露がなく、火にも強くさまざまなシチュエーションで活躍
  • 長く愛着を持って使っていける

興味を持った人は、ぜひお試しください。