シュラフカバー選びに迷っていませんか?そんな人のヒントになるように今回はシュラフカバーについて種類やメリット・デメリット、選び方のポイントを解説します。
また初心者向け、おしゃれ優先、最強の商品などいろいろな観点でおすすめ商品を選びました。最新の人気ランキングも交えてシュラフカバーのすべてをご紹介します。
シュラフカバーの選び方についてもっと知りたい方は、ぜひご一読ください。

CAMPxGEAR編集長
制作記事一覧

タニ ヤオミ
シュラフカバーとは?
シュラフカバーとは寝袋を覆うカバーのことです。
日本の気候は1年を通して気温の変化が大きく降水量も多いです。シュラフカバーを付ければ雨や結露で寝袋がぬれることを防ぎ朝まで快適に眠れます。
このページでは快適な睡眠を得るのに必要な、シュラフカバーの選び方やおすすめの商品を初心者にも分かりやすいように詳しく説明していきます。
特徴
シュラフカバーは寝袋のぬれを防ぐとともに保温力を高めるのが特徴です。キャンプをする時は必ずしも天候が良い日ばかりではありません。急に天候が悪くなったり霧が出たりすることがあります。
結露は例えば次のような条件で発生します
- 湿度が80%で外とテント内で3℃の気温差がある
- 湿度が50%で外とテント内で10℃の気温差がある
そのため雨天時や霧が出ているような天候、もしくは寒冷期にテント内でストーブなど暖房器具を利用すると結露は発生しやすいです。
結露が発生すると天井や側面から水滴が落ちてきたり、床面の水分が染み出してきて寝袋がぬれます。寝袋はぬれると保温力が落ち本来の温かさを保つことができなくなります。
特にダウン素材の寝袋はぬれると大きく保温力が失われてしまい、眠れないほどの寒さで体調を崩してしまう場合もあります。
このような結露や雨のぬれから寝袋を防いでくれるのがシュラフカバーです。寝袋の上に被せるので空気の層により保温力向上の効果もあります。

上記の「モンベル ドライテックプラス スリーピングバッグカバー」は独自の防水透湿素材を使用したシュラフカバーで軽量性に優れています。
メリット:寝袋が雨や結露でぬれない、保温力が上がる
シュラフカバーには次のメリットがあります。
- 寝袋が雨や結露でぬれない
- 保温力が上がる
- 寝袋が汚れない
寝袋がぬれるのを防ぎ保温力を上げてくれるだけでなく、寝袋を汚れから防ぐこともできます。
特に高価なダウン素材の寝袋は丸洗いすることができないので汚れるのは嫌ですよね。シュラフカバーを付ければ寝袋が汚れる心配がなくなります。
デメリット:荷物の重量・容量が増える、寝袋の出入りがしにくい
ではデメリットはなんでしょうか。
- カバー分だけ荷物の重量、容量が増える
- サイドファスナーが使えないため寝袋の出入りがしにくい
- 寝袋単体より蒸れやすい
シュラフカバーは軽量のものが多いですが、カバーの分だけ荷物が増えてしまいます。当然重量も増えるので徒歩やバイクのキャンプでは積載できるか考慮しましょう。
寝袋には出入りや温度調節のためサイドファスナーがありますが、シュラフカバーを付けると寝袋のファスナーが使えなかったり、シュラフカバーのファスナーの長さに制限されたりします。
またシュラフカバーを使用することで寝袋1枚で使用するより内部が蒸れやすくなります。
寝袋のよくある質問
種類
シュラフカバーには「2レイヤー」と「3レイヤー」の2種類のモデルがあります。
2レイヤーは表地と防水透湿素材の2層構造で軽量性に優れています。生地自体も薄く、寝返りを打ちやすいです。
3レイヤーは表地、防水透湿素材、裏地の3層構造で耐久性と強度に優れています。長く愛用できる他、単体でも使用できます。ただし、2レイヤーに比べると重さがあり携帯性に欠けます。
モデル | 軽さ | 動きやすさ | 耐久性・強度 |
---|---|---|---|
2レイヤー | ◎ | 〇 | △ |
3レイヤー | △ | △ | 〇 |
少しでも軽量にしたい方は2レイヤー、重量が増えても耐久性を重視したい方や単体で使用することも考えている方は3レイヤーをおすすめします。

シュラフカバーの選び方
たくさんのメーカーからいろいろな特徴を持って販売されているシュラフカバーはどうやって選べばよいのでしょうか。
シュラフカバーはセットする寝袋により選択肢が変わります。寝袋の形状の違いや素材の種類などがよくわからない方は次の記事を参考にしてください。
ここではシュラフカバーを選ぶ場合は何を基準にしたらいいのかを詳しく解説していきます。
ポイント1. サイズで選ぶ
シュラフカバーには主に2つのサイズがあります。3シーズン用のレギュラーサイズと積雪時期での使用を前提とした4シーズン用のワイドサイズです。基本的には寝袋のサイズに合ったものを選びますが、大きさに迷った場合は大きめを選ぶのがおすすめです。
ジャストサイズや小さめのシュラフカバーでは、中のダウンがつぶれて保温力が十分に発揮されません。使っている寝袋より大きめサイズを選ぶと空気の層が生まれて保温力アップが期待できます。
ポイント2. 素材で選ぶ
シュラフカバーの多くは防水透湿素材を採用しています。防水透湿素材とは雨や水を通さないのに体からはっせられる蒸気を逃がす機能を持っている素材のことです。中でも「ゴアテックス」は高価ながらも高い防水透湿機能を発揮します。
しかし、平地でのキャンプや夏の時期などはゴアテックスほどの機能を必要としない場合があります。その場合は比較的安価なメーカーが提供する独自の防水透湿性素材がおすすめです。
「タイベック」という強じんで耐久性のある不織布素材のものや素材の内側に熱反射素材のアルミを蒸着加工した保温性の高いシュラフカバーもあります。
キャンプに行きたい季節や気候に応じてオーバースペックにならない素材を選ぶのがおすすめです。
ポイント3.ファスナーの位置や仕様を確認する
シュラフカバーのファスナーの位置や仕様は使い勝手に関わります。上下どちらからも開け閉めできるタイプや、内側からも開けられるダブルファスナータイプ、頭から腰まで大きく開くタイプとさまざまな種類があります。
寝袋に出入りするときはもちろん、暑さが気になったときにファスナーがスムーズに開け閉めできるものだと便利です。
ポイント4.伸縮性があるかどうか
伸縮性に優れているかも選ぶポイントです。寝返りが打ちやすかったり大きく伸びができたりと快適な睡眠をとることができます。
伸縮性がないものでもワイドサイズのシュラフカバーや封筒型のシュラフカバーを選ぶと、ゆとりがあるので就寝中の動きやすさを向上できます。
ポイント5.防水・はっ水加工
本体の素材も重要ですが、防水・はっ水加工をしっかり施されていることも大切です。シュラフカバーには簡易防水タイプと完全防水タイプがあります。
簡易防水タイプは素材そのものにはっ水・防水加工が施されていて軽く、安価なモデルが多いです。完全防水タイプは縫い目部分にも防水加工が施されており防水面に優れています。しかし、やや重く高価なモデルが多いです。
一般的な晩秋から冬のキャンプでは簡易防水タイプで十分です。雪上や登山など、より本格的なアウトドアに使用するなら完全防水タイプのほうがおすすめです。
おすすめのシュラフカバー
ここからはシュラフカバーの種類、選び方を踏まえておすすめの商品をジャンル別に紹介していきます。おすすめの理由も記載しているので参考にしてみてください。
初心者におすすめの「オクトス(oxtos)透湿防水 シュラフカバー レギュラー」
おすすめの理由としては
- 日本製のシュラフカバー
- 上下どちらからも開閉できるファスナー
- 実売6千円前後のお手頃価格
機能性にこだわりぬいて作られた日本製のシュラフカバーです。上下どちらからも開閉できるので使い勝手も良好です。2レイヤータイプなので寒冷期には向いていませんが、裏地がないので軽くコンパクトに持ち歩けます。
一般的な使用には十分な機能を持ちリーズナブルな価格で初心者の方におすすめです。
ステップアップにおすすめの「Puro Monte(プロモンテ)ライトウエイト 3レイヤー シュラフカバー」
おすすめの理由としては
- フルシーズン対応
- 通気性が抜群
- 重量はわずか300gで携帯性が良い
プロモンテは高品質な登山向けアイテムを展開する人気ブランドです。フルシーズン対応の3レイヤータイプで、夏には単体で使用可能です。東レと共同開発した「高通気エントラント」という生地は防湿・透湿性に加え、従来品の50倍以上と抜群の通気性です。
軽量でコンパクトにまとまる3レイヤータイプのシュラフカバーがほしい方におすすめです。
防災用でおすすめの「SOL(エスオーエル) エスケープヴィヴィ」
おすすめの理由としては
- オールシーズンで使える
- 保温性能が高い熱反射シート使用
- ドローコード付き
SOLは災害やビバークのような緊急事態に使う製品を多く出しています。この商品は内部に保温性の高い熱反射シートを使用しており、表面にははっ水加工が施されています。上部はドローコード(パーカーのひものようなもの)がついており、ひもを引っ張ると頭まで包まれます。
値段も安価なので防災兼用で備蓄したい方におすすめの商品です。
この商品の大きさ、使い勝手などはこちらの動画がわかりやすかったので参考にしてください。
おしゃれなシュラフカバー「MURACO(ムラコ)タイベック サーモスリーピング プロテクター」
おすすめの理由としては
- 出入りしやすいセンターファスナー
- 携帯性に優れた軽さ
- 珍しいホワイトカラー
ムラコのシュラフカバーは真ん中にファスナーがついているので寝袋からの出入りがしやすい作りになっています。重さは265gと携帯性に優れているのも嬉しいポイントです。
シュラフカバーでは珍しいホワイトカラーで清潔感があります。おしゃれなシュラフカバーを探している方におすすめです。
最強のシュラフカバー「イスカ(ISUKA) ゴアテックス インフィニアム シュラフカバー UL」
おすすめの理由としては
- 優れた防水透湿性
- 耐久性が高い
- 60cmのサイドファスナーで出入りが楽
超軽量な30デニールナイロンをベースとした、3レイヤーのゴアテックス素材のシュラフカバーです。耐久性に優れた3レイヤーシュラフカバーは単体でも使用可能で、夏キャンプでは寝袋の代わりに使用できます。
優れた防水透湿性能のゴアテックス素材なので冬季にも快適に使用できるのは嬉しいですよね。
シュラフカバー最新人気ランキング
シュラフカバーの人気はどのようになっているのか。楽天のシュラフカバーランキングを元にTOP10を調査しました。
2022年10月24日~10月30日の期間を対象として楽天が2022年11月2日に公表したシュラフカバーランキング(売上や取り扱い店舗数などから楽天独自ランキング)を元に、
- アウトレット品を除外
- 紛れ込んでいるインナーシーツ、クッションなどは除外
- ノーブランド、ショップブランドを除外
- 同一商品の販売店違い、色違い、サイズ違い、オプション違いを除外(最上位のみ掲載)
を行った。また商品情報が不足時はメーカー公式サイトやネットに公開されている取扱説明書の情報を元に追記した。
シュラフカバーはTOP6までとなりました。販売店が正しくカテゴリを設定していない商品が多いようです。それでも3大メーカーからNANGA、ISUKAの商品は同一商品ですが多く掲載されています。モンベルの商品はランキングにいませんでした。
1位:NANGA WATER PROOF SLEEPING BAG COVER/ウォーター プルーフ スリーピング バッグ カバー(6,600円〜)
2位:オクトス(oxtos)透湿防水 シュラフカバー ワイドロング(6,820円〜)
3位:イスカ(ISUKA) ゴアテックス インフィニアム シュラフカバー UL(23,650円〜)
4位:MURACO(ムラコ)タイベック サーモスリーピング プロテクター(10,560円〜)
5位:Survivor II エスケープ ビヴィ(4,980円〜)
6位:イスカ(ISUKA) ウェザーテックシュラフカバースーパーライト(9,416円〜)
まとめ
シュラフカバーを使用すると保温力が高くなり、寒さで目を覚まさない快眠がとれ、キャンプ泊が快適になります。
また雨や結露でぬれる心配もなくなり、寝袋の汚れも防止できるので1枚あると便利な商品です。災害が多い日本では地震や台風など、もしもために防災兼用でシュラフカバーを持っていると安心です。
持っている寝袋の形や1枚で使用するかなど、ご自身に合わせてお気に入りのシュラフカバーを見つける参考にしてくださいね。

タニ ヤオミ
ダウンシュラフは全体的に軽量化されている分、生地が薄く、先のとがったものに引っかかると比較的破れやすいのが難点。
屋外で使う以上、予期せぬ石や枝にひっかけてしまいがち。実際に店舗での修理依頼の多い製品の一つです。そこでとても便利なのがシュラフカバーです。
シュラフカバーは破れにくい防水の生地で作られているため、テント内の細かい砂や砂利、小枝からもシュラフを守ってくれます。シュラフの生地に穴が空いてしまうとその穴から中のダウンもでてきてしまうことがあるので、それを防止するためにもシュラフカバーは有効です。
また、防水の生地で作られているため、テント内で発生してしまう結露からもシュラフを守ってくれます。ゴアテックスを使用している製品を選ぶことで透湿性も確保できるので体温による蒸れも防ぐことが可能です。
それ以外にもシュラフの保温性も高めてくれるので、持っていると便利なアイテムです。