寝袋(シュラフ)選びに悩んでいませんか?寝袋といっても各メーカーからさまざまな種類が販売されているので、選ぶのも大変ですよね。
今回は寝袋の種類と選び方を解説し、おすすめの商品、最新の人気ランキングをご紹介します。
快適な睡眠には必須の寝袋について、もっと知りたい方は、ぜひご一読ください。

タニ ヤオミ
寝袋(シュラフ)とは?
寝袋(シュラフ)とは袋状の携帯できる寝具のことで、主にテントの中で使われるキャンプギアです。
シュラフとはドイツ語のSchlafsack(シュラフサック)から省略された呼び方で、別名スリーピングバッグとも呼ばれています。
キャンプや登山で使用されるほか、コンパクトにまとめることができるので防災用としても活用されます。
キャンプでは凸凹の地面の上、ジメジメした梅雨、クーラーがない夏、凍えるような寒さの冬など、さまざまな環境で睡眠をとります。
そのため屋内での睡眠とは異なり、なかなか寝付けないこともあります。
快適なテント泊にするためにも、寝袋はこだわって選びたいですよね。
このページでは寝袋について種類や選び方を、初心者にも分かりやすいように解説していきます。
特徴
寝袋と家庭用の布団の大きな違いは、コンパクトにまとまるかどうかです。
キャンプをするにはテントやテーブル、椅子など荷物が多くあり、車に積める量も限られます。また徒歩やバイクではさらに持っていける荷物が少なくなります。
家庭用のお布団を持っていくにはかさばってしまい、他の荷物が積めなくなってしまいます。冬のキャンプだとさらに荷物が増えます。
夜はとても冷え込み、地域によっては氷点下まで下がります。そうなれば毛布もプラス1、2枚必要になってしまいます。

こちらの「LOGS(ロゴス) 抗菌防臭 丸洗いアリーバ・-6」は、これだけで最低温度帯-6℃にまで対応するマミー型の寝袋です。
左上の赤い収納袋に収まり、収納サイズは(約)直径27×長さ42cmとコンパクトです。
収納場所をとらず、持ち運びが便利なのが寝袋の特徴です。
メリット:コンパクトで暖かい
寝袋には次のメリットがあります。
- コンパクトで収納スペースをとらない
- 体に密着して暖かい
- 片付けが簡単
収納サイズが小さくコンパクトになり、布団などと違ってスペースをそれほど取りません。
体が包まれる形状の寝袋は、布団よりも体に密着するので暖かく感じます。高機能な製品なら雪山でも使用できます。
寝袋は持ち運ぶことを前提としており、片付けは専用の袋に入れるだけです。
ゆったりサイズのものなら中にインナーシーツや毛布を入れられるので、ある程度の温度調節ができます。
デメリット:窮屈で底冷えは防ぎきれない
ではデメリットはなんでしょうか。
- 動きにくく窮屈に感じる
- 寝袋だけでは底冷えは防ぎきれない
種類によりますが寝袋は布団に比べて窮屈に感じます。特にマミー型だと手を動かしづらいです。
そのため、寝るまでよく動く方や寝返りをする方は慣れが必要です。
ゆったりサイズのものもあるので、初心者はゆとりのある寝袋がおすすめです。
また寝袋が防げるのは上からの寒さのみで、下からくる底冷えは防ぎきれません。
寝袋の下に銀マットやインナーマットを敷く、またはコットと呼ばれる簡易ベッドを使用すれば底冷えを防ぐことができます。
寝袋のよくある質問
種類
寝袋は形状の違い、中綿の違い、使用可能温度で種類が分かれます。
形状の違い:封筒型
縦長の封筒みたいな形状でサイドにファスナーがついている寝袋です。ファスナーを全開にすると掛け布団や敷布団として使用もできます。
また封筒型寝袋はファスナーで連結できるものが多く出ているので、ファミリーキャンプがメインの方に人気があります。

窮屈感が少なく価格も比較的安価で手に入れやすいですが、保温性にはあまり優れていないので冬場には向かない場合もあります。
封筒型は小さいお子様がいるファミリー層や、圧迫感が苦手な方におすすめです。
形状の違い:マミー型
マミーとはミイラを意味する言葉で、寝姿が似ていることからマミー型と呼ばれています。
頭まですっぽり包まれる形なので気密性が高く保温性に優れている商品が多いです。
ただし、包まれる形なので窮屈に感じる場合もあります。
また、封筒型と比べるとコンパクトにまとまりますが、価格は高いものが多いです。
マミー型はソロキャンプや登山に行かれる方におすすめです。
中綿の違い
中綿の種類 | 保温力 | 軽量 | 水ぬれ | 価格 |
---|---|---|---|---|
ダウン | ◎ | ◯ | ✕ | △ |
化繊 | ◯ | △ | ◯ | ◯ |
ダウンは保温力が高く、軽量でコンパクトに圧縮できます。しかし水ぬれに弱く、ぬれると保温力が下がります。
一方、化繊は水ぬれに強く、丸洗いできるものも多く手入れが楽です。
ダウンに比べると価格がリーズナブルですが、保温性と圧縮性はダウンに劣ります。
快適使用温度
「快適使用温度」、「適正温度」とメーカーや販売店によって記載のされ方は異なりますが、寝袋には使用可能温度の目安があります。
その違いにより大きく夏用、冬用、3シーズン用に分類されます。
詳しくは次の選び方で解説します。
寝袋の選び方
寝袋には使用可能温度や形状、中綿の違いがあり、さまざまな商品が販売されています。
どのように選べばいいのか、寝袋を選ぶ5つのポイントを解説します。
ポイント1. 使用する季節で選ぶ
「冬にキャンプに行ったら寒くて眠れなかった。」という声を聞くことがあります。
家で寝るのとは違い、外の気温は思ったよりも寒くなります。
快適な睡眠をとれないのはストレスですよね。
寝袋には「快適使用温度」、「限界使用温度」など販売店により記載方法は異なりますが、外気温が何度までなら使用できるという目安が記載されています。
その中から
- 夏用(10℃以上)
- 冬用(-10℃以下)
- 3シーズン用(-5℃〜5℃。春、秋、夏用)
を目安に選べば、失敗が少なくなります。
また3シーズン用の寝袋ならインナーシーツを使用するなど、工夫次第ではオールシーズン使用することができるので、初心者におすすめなのは3シーズン用寝袋です。
東京を例にすると平年値で最低気温は冬が0℃、春・秋が10℃、夏が20℃程度です。
地点 | 1月・2月 | 4月・11月 | 5月・10月 | 7〜9月 |
---|---|---|---|---|
東京 | 1.2〜2.1℃ | 8.8〜9.8℃ | 14.6〜14.7℃ | 20.3〜23.5℃ |
ここからキャンプ場は標高が高い場所も多いので東京より5℃ほど下がる場合もあります。
さらに5℃程度下げたほうが予想外の冷え込みにも対応できて安全です。
そのため冬が-10℃、春・秋が0℃、夏が10℃が基準となります。
暑いと感じる場合は薄着になったり隙間を広げるなどで調整ができますが、寒いに対応するには厚着、湯たんぽ、電気毛布、ストーブなど何かしらの準備が必要です。
「コールマン マルチレイヤースリーピングバッグ」のように複数層から構成され、気温に合わせて調整できるようになっている商品もあります。

使用可能温度は例えばロゴスは適正温度の1つだけですが、NANGAやモンベルなどアウトドア用品メーカーの多くはEU諸国における統一規格であるヨーロピアン・ノーム(EN 13537)を採用しています。
それらのメーカー公式ページを確認すると、多くの方が快適に感じるCOMFORT(コンフォート・快適温度)と、一般的な成人男性向けのLIMIT(リミット・下限温度)の2つの値が記載されています。
女性のほうが男性より寒さを感じやすいため女性はCOMFORT、男性はLIMITを参考にしてください。
ただし暑さ、寒さの体感は個人差が大きく、体格や服装によっても変わるので、あくまで目安に過ぎません。
またヨーロピアン・ノームの規格にはエクストリーム温度(EXTREME・極限温度)という、低体温症のリスクはあるが6時間程度なら耐えられるという温度もあります。
メーカーは統一規格に従っていても、販売店が誤った認識だったり誇張のため、エクストリーム温度を記載している場合があります。
寝袋の使用温度はメーカー公式サイトも確認するようにしましょう。
ポイント2. サイズで選ぶ
寝袋には大きく分けて3種類のサイズがあります。
- ショートサイズ:身長165cmまで
- レギュラーサイズ:身長180cmまで
- ロングサイズ:身長195cmまで
となっています。
隙間が多いと温まりにくくなってしまうため、保温性を保つには自分に合ったサイズの寝袋を使用することが大切です。
商品によっては、実寸ではなく適応身長が記載されている場合もあるので注意しましょう。
ポイント3. 寝袋の中綿で決める
冬キャンプや登山をされる方、保温力が優れたものがほしい方はダウンの寝袋がおすすめです。
ただし、ダウン素材はぬれると保温性が下がってしまいますし、風通しがよく、湿気がたまりにくい場所で保管をしなければカビが発生してしまうこともあります。
そのため初心者にはお手入れがしやすい化繊素材の寝袋がおすすめです。
また冬以外の3シーズン使用が多い方、価格を抑えたい方も化繊の寝袋がおすすめです。
ポイント4. 価格で選ぶ
寝袋はダウン素材や化繊素材といった中綿の違い、形の違い、サイズの違いで値段が変わってきます。
安いもので2〜3千円から、高いものでは数十万もします。
初心者だとどのくらいの価格帯を買えばいいのか選ぶのは難しいですよね。
おすすめは4,000円〜10,000円程度のものです。安すぎるものは縫製が甘かったり、薄すぎたりとトラブルが発生してしまう可能性があります。
また高い商品から機能を確認し、オーバースペックにならない商品を選ぶのは難しいです。キャンプ用途ですと国内メーカーや大手メーカーのエントリーモデルを購入するのが無難です。
ポイント5. 収納サイズで選ぶ
移動手段が車であればそこまで気にする必要はありませんが、バイクや自転車、徒歩の場合は運べる荷物が限られてきます。
また収納サイズが大きいと家での保管場所に困ることも。
ダウンならば化繊よりサイズが約半分で済みます。収納サイズが小さいほうがいい方は、ダウンの寝袋をおすすめします。
おすすめの寝袋3選
初心者から上級者までおすすめの寝袋をご紹介します。
初心者におすすめの「Bears Rock(ベアーズロック)封筒型寝袋 MX-604」
おすすめの理由としては
- リーズナブルな価格
- 幅80cmのゆったりサイズ
- 初冬まで使える3.5シーズン対応
- 9色もある豊富なカラーバリエーション
3.5シーズンとは春・夏・秋・初冬まで使用できることを指します。
実は筆者がキャンプデビュー時に購入したのがBears Rockの封筒型寝袋です。
初めて寝袋を使用するのにマミー型は窮屈そうで手を出しづらく封筒型を購入。幅も80cmとゆったりサイズだったので窮屈には感じませんでした。
ドローコード(寝袋の肩回りにあるひものこと)を絞れば頭まですっぽり包まれるので暖かく、価格も4,000円とリーズナブルなので初めての寝袋におすすめです。
この商品の暖かさやサイズ感などはこちらの動画がわかりやすかったので参考にしてください。
おしゃれな寝袋「S’more(スモア) OKURUMI BAG」
おすすめの理由としては
- コーヒーとベージュの2色から選べる
- 表ナイロン生地には、はっ水加工を施してあるのでダウンがぬれにくくなっている
- 2つのシュラフをファスナーで連結できる
- 長期保存用のメッシュケース付き
コーヒーとベージュの落ち着いた色味で女性におすすめです。
ダウンシュラフですが、羽毛用洗剤と洗濯ネットを使用すれば丸洗いが可能です。
お手入れがしやすいのはうれしいポイントです。
最強の寝袋「NANGA(ナンガ)UDD BAG 630DX」
おすすめの理由としては
- 業界初の永久保証。ダウンシュラフは基本無償で修理が可能
- ダウン自体に撥水加工を施された高品質で高機能のダウン
- 一般から登山家まで幅広く信頼されている国内の寝袋メーカー
ナンガの寝袋はダウンの吹き入れから生地の縫製まで、熟練の職人によって国内の自社工場で作られています。
高価な寝袋ですが品質や保証がしっかりしたナンガの寝袋はおすすめです。
国産寝袋三大メーカーがモンベル、イスカ、NANGAの3社です。その中でも1941年に創業し最も歴史があるのがNANGAです。
NANGAはダウンを封入したモデルの寝袋は永久保証。基本無償で対応してくれるほか、有償でダウンの増量もおこなっています。
羽毛の洗浄から、吹込み、縫製まで国内生産に拘った高品質も大きな特徴です。
参考:ABOUT NANG
この商品の大きさ、使い勝手などはこちらの動画がわかりやすかったので参考にしてください。
寝袋(シュラフ)最新人気ランキング
寝袋の人気はどのようになっているのか。楽天の寝袋・シュラフランキングを元にTOP10を調査しました。
順位 | メーカー名 | 商品名 | 形状 | 中綿 | 使用可能温度 | 快適睡眠温度 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1位 | DOD | わがやのシュラフ | 封筒型 | 化繊 | 5℃〜 | - | 14,800円 |
2位 | Bears Rock | 封筒型寝袋-6℃ | 封筒型 | 化繊 | -6℃〜 | 8〜28℃ | 3,850円 |
3位 | HAWK GEAR | 寝袋 シュラフ マミー型 | マミー型 | 化繊 | -15℃〜 | - | 4,880円 |
4位 | コールマン | マルチレイヤースリーピングバッグ | 封筒型 | 化繊 | -11℃〜 | -5℃〜 | 9,300円 |
5位 | WhiteSeek | 寝袋 抗菌 抗ウイルス シュラフ | 封筒型 | 化繊 | -15℃〜 | 0℃〜 | 4,380円 |
6位 | fieldarchi | Xcross 枕付き -15℃ 210T | 封筒型 | 化繊 | -15℃〜 | 0℃〜 | 4,500円 |
7位 | Bears Rock | 封筒型寝袋-30℃ FX-503W | 封筒型 | 化繊 | -30℃〜 | -10〜20℃ | 14,250円 |
8位 | Bears Rock | センタージッパー寝袋 FX-453G | マミー型 | 化繊 | -34℃〜 | -12〜12℃ | 13,750円 |
9位 | FieldSAHARA | S700 封筒型 5色 | 封筒型 | 化繊 | -7℃〜 | 5℃〜 | 3,780円 |
10位 | Carinthia | Defence 4 | マミー型 | 化繊 | -15℃〜 | -9℃〜 | 35,800円 |
2022年10月17日~10月23日の期間を対象として楽天が2022年10月26日に公表した寝袋・シュラフランキング(売上や取り扱い店舗数などから楽天独自ランキング)を元に、
- 寝袋・シュラフを対象として抽出
- 紛れ込んでいるネックウォーマーなどは除外
- ノーブランド、ショップブランドを除外
- 同一商品の販売店違い、色違い、サイズ違い、オプション違いを除外(最上位のみ掲載)
を行った。また商品情報が不足時はメーカー公式サイトやネットに公開されている取扱説明書の情報を元に追記した。
TOP10にランクインした寝袋の中綿は、化繊のみでした。DOD、Bears Rockの人気が高いです。
1位:DOD わがやのシュラフ
2位:Bears Rock 封筒型寝袋-6℃
3位:HAWK GEAR 寝袋 シュラフ マミー型
4位:コールマン マルチレイヤースリーピングバッグ
5位:WhiteSeek 寝袋 抗菌 抗ウイルス シュラフ
6位:fieldarchi Xcross 枕付き -15℃ 210T
7位:Bears Rock 封筒型寝袋-30℃ FX-503W
8位:Bears Rock センタージッパー寝袋 FX-453G
9位:FieldSAHARA S700 封筒型 5色
10位:Carinthia Defence 4
お気に入りの寝袋を見つける
寝袋にはシュラフカバー、インナーシーツ、枕、マット、コットなど関連する商品もいろいろあります。
ファミリーキャンプをするのか、ツーリングキャンプか、はたまた登山で使用するのか。
キャンプする季節など自分のスタイルを決め、関連する商品も含めて良質な睡眠をとるには何が必要か検討し、自分に合うサイズのお気に入りの寝袋を見つけてください。

タニ ヤオミ
キャンプの醍醐味(だいごみ)といえば、「テントで眠ること」ですよね。
そこに欠かせないのが寝袋(シュラフ)です。
快適な睡眠をとれるかどうかを左右する大切なギアです。
寝袋の中綿には
- ダウン
- 化繊(化学繊維)
とありますが、私は季節で使い分けをしています。
夏用は汗をかいたり頻繁に洗うので、かさばるけど家の洗濯機で洗えて扱いやすく、さらに気温調節がしやすい化繊×封筒型です。
冬用はあまり頻繁に洗う必要はなく、保温力を重視したかったので、コンパクトさと温かさ重視でダウン×マミー型を使っています。
マミー型は封筒型に比べると多少は狭く感じることもありますが、足元に余分な隙間ができず保温力を保てるので、冷え性の方には特におすすめです。
また、汎用的に使える3シーズン用などもありますので、ご自身のニーズに合ったものを選んでください。