ペグの使い方
ペグは難易度・危険度が高いキャンプギアです。ペグの使い方を誤ると強風でテントやタープが倒壊してしまいます。
説明書以上に地面の状態に合わせた使い分けや、不安がある所は強度を高めるなどテクニックが求められます。
ペグの使い方を正しく理解し安全に利用しましょう。

CAMPxGEAR編集長
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ペグの使い方として必ず覚えること
- ガイロープとペグの角度は90度
- ハンマーはペグに向かって真っすぐ打つ
- ペグはしっかり深く打つ
- 抜けないときはグリグリ動かす
- 撤収時は本数を数える忘れてないか確認する
ペグとガイロープが 90度になるようにペグに角度を付けて打ち込みます。
このとき、ペグに真っすぐにハンマーが当たらないと力が分散して時間が掛かり、ペグ自体にダメージを与え折れ曲がるリスクが出ます。
強度が高いペグは上部をある程度出しても良いですが、そうではない場合、特に短いペグほどしっかり奥まで打ち込んでください。深いほど摩擦力が上がり抜けません。
強度が低いペグで上部を出しすぎると強風にあおられるとテコの原理で折れ曲がります。
ペグを抜こうとすると動かない場合があります。その場合、上下左右に動かしたり、穴が開いてるならそこに他のペグを刺してペグを回転させるなどすると抜けやすくなります。
ペグは忘れ物が非常に多く、キャンプ場に行くとよく前の人が抜き忘れたペグを見つけます。最後に本数を数え、抜き忘れがないか確認しましょう。
ペグで使われる用語集
基本の打ち方
ペグを地面に打ち付けることをペグ打ち・ペグダウンと言います。
ペグダウンの前に先にテントやタープの位置を決めます。そこからガイロープの伸ばし先を考え、テントやタープの端から0.5m〜1.5mぐらい離れた位置にペグを打ちます。
基本的にはガイロープの角度が地面に対して60度を目安にし、状況に応じて近づいても離れても大丈夫です。
60度の角度だとポールの高さが240cmであればポールから138cmの位置でペグを打つと、角度が60度になります(三平方の定理で1:2:√3なのでポールの高さを1.732で割った数字)。
ペグの位置とガイロープの角度が決まったら、今度はガイロープに対して90度の角度になるようにペグを打ちます。
またフック型のペグの場合、このときペグの打ち込まれる胴体側にガイロープを掛けるようにし、フックにガイロープを付けないように注意してください。
ペグを打ち込むにはペグハンマーを用います。ペグの素材がプラスチックやアルミの場合、ゴム製のハンマーを使います。
スチールなどであればくぎ用のトンカチでも良いですし、なければ落ちている石で打っても良いです。
ペグを打ち込む深さは、フックなどがある場合、その部分が埋まらない程度が基本です。
強風などが見込まれる場合は、フックまで埋め込んで回転させないようにします。
ただ、そこまで打ち込むと抜くのが一苦労です。
ペグはガイロープ1本につき1本が基本です。
テントとタープをそれぞれで張っていったとき、たまたま別のガイロープのペグダウン位置が同じ場所になることがあります。
その場合は長いペグを使って強度を上げたり、短いペグなら後述のアレンジした打ち方で強度を高める工夫が必要です。
アレンジした打ち方
地面が柔らかく、1本のペグではぐらつくような場合、あるのであれば長いペグに変えます。
地面は20cm程度までは柔らかい地盤でもその下に硬い地盤があることが多いです。
長いペグがない場合にはクロス打ちが一つの有効な手段です。
クロス打ちは横から見た場合は基本と同じです。ガイロープを正面から見た場合、1カ所にX型になるようにペグを2本打ち込む形です。
他にはガイロープを正面から見た場合に、左右に離れて2本打ち、自在金具に対して三角形の形に打つやり方もあります。こちらも負荷が半分になるため強度が上がります。
どちらも十分に強度が上がりますが、クロス打ちのほうが見た目がキレイで通行の邪魔になりません。
抜き方
ペグハンマーがある場合、ペグを横から軽くたたき隙間を作ります。その後はテコの原理でペグを持ち上げましょう。
ペグハンマーがない場合、穴が開いてるタイプなら別のペグを穴に刺し、グリグリ回して隙間を作り、引き抜きます。
いずれも手の力だけで抜こうとすると力が足らず抜けなかったり、無理すると腰を痛めます。自転車の空気入れと同様に足の屈伸の力を使って引き抜きましょう。
よくあるトラブル・ハマるポイント
ペグには知らない初心者がハマるポイントがいろいろ有ります。
- 地面が硬すぎて刺さらない
- 石や木があって打ち込めない
- ペグが折れ曲がった
ペグが打てない、ペグが足らない場合は他のものを活用しましょう。
比較的大きな石があるならそれに結びつけても良いですし、木があるならタオルを巻くなど保護してからガイラインを結んでください。
そういったものがないなら、ある程度頑丈な袋に砂や石を詰めて重石にしたりなど使える道具で工夫してみてください。
お手入れ・収納の仕方
ペグは消耗品のため、ある程度雑に扱っても大丈夫です。
少しでも長持ちさせるためには
- 【必須】土などの汚れは絞った雑巾などでしっかり落とす
- 【必須】雨にぬれているときはしっかり乾かす
- 【推奨】砂浜など塩分の強い土地で使った場合は金属製のペグは水洗いする
は守るようにしてください。
鍛造スチールは先端部や頭部の塗装が剥げサビます。
アルミ、チタン、ステンレスのようにサビに強い金属もまったくサビないわけではありません。塩分や水分はしっかり落としましょう。
長期間使わない場合は油(普通の食用油でOK)を塗るとサビ止めになります。
壊れたときの修理・補修の方法
多くのペグは使い捨てです。
金属製のペグは多少曲がった程度なら、反対からたたくことで元に戻せますすが、大きく曲がってしまった場合は、なかなか真っすぐには行きません。
また、戻せても確実に強度は落ちるので、買い直すことをオススメします。