ペグとは?種類や選び方のポイント、オススメ商品を初心者向けに解説

ペグ テント・タープ

ペグとは

キャンプで利用するペグとは地面に打ち込むクイのことです。さまざまな金属やプラスチックでできています。

テントやタープが倒れないように、ペグが地面からロープを引っ張ります。

ロープの端はペグの代わりに大きな石や木などの自然物を利用する場合もありますが、多くの場所ではペグを利用して地面に固定します。

ペグは登山用品としても売られています。テントの大きさが同じなら必要なペグのスペックも同程度であり、メーカーは両者に違いを設けていません。

このページではさまざまな種類があるペグについて初心者でもわかりやすいように解説して行きます。

制作者
CAMPxGEAR編集長

CAMPxGEAR編集長

キャンプ歴15年、日本キャンプ協会公認キャンプインストラクター。幼い頃より釣りなどアウトドアを趣味とし、毎年3〜5張りテントを購入するほど沼にハマった嫁のおかげでキャンプギアに詳しくなった人。ゴールデンウィークには10日間の遠征で4つキャンプ場を行脚して9連泊するなど家族全員がキャンプ好き。本職は上場企業執行役員CTO。
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ペグの特徴

ペグは地面に打ち込むため、細長く、先がとがったクイ型の形状が特徴です。

素材にはプラスチック、アルミ合金、スチール、チタン、ステンレスなどが採用されます。

ペグは長いほど摩擦力が増え抜けにくくなります。数多く販売されている長さは20cm前後か30cm前後の2種類です。数は少ないですが40cm前後、50cm前後も販売されています。

40cm以上だと荒天時でも安心ですが、1本のガイロープにペグを2本打ったり、その2本をクロスさせたりと短いペグでも抜けにくくする打ち方もあります。

とがった先側は石と接触し、逆側の頭側はハンマーでたたかれるため、ペグはキャンプ用品の中では消耗が激しいギアです。

特にプラスチックやアルミ合金では硬い地面のときに、曲がったり折れたりするリスクが高いです。数本は予備があると安心です。

ペグの種類

ペグの上部形状の違い

ペグは上部の形状から、大きく次の5つに分類されます。

ペグの上部形状
種類 解説
ピンペグ 上部が?マークのようなフックや円の形です。他のペグに比べて安価でテントやタープの標準付属はこの形が多いです。
ネイルペグ 上部が平らなくぎ(ネイル)状の金属を基本に、ガイロープを引っ掛けるためにプラスチックでT字型の頭部を後付した形状です。
象の鼻型(鍛造ペグ) 上部は象の鼻のように下向きの突起があい、目のように穴が空いている形状です。突起にガイロープを引っ掛けます。もともとは鍛造スチールがこの形状でしたが、現在ではチタン、ステンレス、アルミ合金など他の素材も存在します。
クビレ型 上部のすぐ下に首のようなクビレがあり、そこにガイロープを引っ掛ける形です。多くは上部に空いた穴からガイロープでで小さな輪が用意されており、引き抜くときはそこを使います。
スクリューペグ 全体を捻ったり、ドリルのような形をしたスクリュー型のペグです。ねじ込む用に取っ手状のもの、専用の工具用、電動ドライバー用のネジ穴などが存在します。

ピンペグは足で踏んで終わり程度のシチュエーションならば良いのですが、ハンマーで打ち込む場合、有効となる打点の範囲が狭く、非常に打ち込みにくいです。

ネイルペグはプラスチック部分に誤ってハンマーを当てると破損しやすいです。

ペグの断面形状の違い

ペグは断面の形状から、大きく次の5つに分類されます。

ペグの断面形状と特性
断面形状 抜けにくさ 打ち込みやすさ 壊れにくさ
円形
だ円形
長方形・多角形
V字・U字
T字・Y字・十字

 

大きく円形側か十字側かに分かれ、円形側は強度が高く壊れにくいですが、回転方向の力に弱く、重いです。

また円形は接地面が少なくなり摩擦力が減るため形状としては抜けやすいです。それを実感するのは砂浜など柔らかい地面や雨天時などです。

一方で十字側は軽量ながら回転方向の力に強いですが、折れ曲がりやすく、薄い辺は石などで削られやすいです。砂浜でも同じ長さなら円形より安定します。

ペグの素材の違い

ペグの素材としてよく使われるものには次の6種類があります。

ペグの素材と特性
素材 曲げ強度 重さ サビの強さ 耐久性
プラスチック
アルミ合金・ジュラルミン
スチール(鋳造) △〜◯
スチール(鍛造)
チタン
ステンレス

プラスチックは価格が安いですが、紫外線による劣化が激しいため数年で使い捨てになります。

アルミはトータルのバランスが良いです。

スチール系は重さがネックですが車で行くオートキャンプであればそこまで気にならないことも多いです。

またスチールは流し込んだだけの鋳造より、たたいて製造する鍛造のほうが、強度が高いです。ただし価格も高いです。

スチールは塗料などの加工で耐久性が大きく変化し、安い鋳造の商品ではそのような加工がされていないため耐久性が低いです。

チタンは性能面ではもっとも優れていますが、価格も他の倍以上します。

初心者におすすめのペグ

初心者はズバリ「キャプテンスタッグのスチール丸棒ネイルペグ25cm」がオススメです。

理由は以下の3点です。

  • ピンペグやプラペグに比べれば圧倒的に使いやすい
  • 通常シチュエーションには十分な強度
  • 失敗して壊しても痛くない圧倒的なコスパ

テントやタープに標準付属のペグは使い勝手や強度に不安を感じるものが多くあります。形状がピンペグや全体の素材がプラスチックだった場合、ペグの買い足しをオススメします。

ペグのよくある質問

プラペグは紫外線により数年で劣化が始まります。金属系の場合は回数と使い方で大きく変わりますが、一般的なキャンプ場でファミリーキャンプする程度であれば10年以上は使えます。

キャンプ用品専門店、スポーツ用品店、登山用品店、ホームセンター、メーカー公式サイト、AmazonなどのECサイトで購入できます。

そこまで高くない製品なのでECサイトが手っ取り早いです。

設営するテントには標準でペグが付いてくることが多いです。入ってたペグと同じ本数+予備で2〜3本を買い換える形にしましょう。

タープの場合、アレンジの仕方により本数が大きく異なります。一般的なアレンジではポール6本に2本づつの12本あれば事足ります。

よく行かれるならば用意したほうが楽になるでしょう。たまに行く程度であれば、硬い地盤まで砂を掘ってからペグダウンしたり、適当な袋に砂を詰めて土のう型の重しにするなどの手もあります。

ペグの選び方

形状や素材がさまざまで、たくさんのメーカーからいろいろな特徴を持って販売されているペグはどうやって選べばよいのでしょうか。

選び方のヒントをお教えします。

ポイント1.行くシチュエーションと価格感で選ぶ

ペグを打ち込むグランドの状況と、雨風の強さによりペグの向き不向きは異なります。

素材と形状の組み合わせた比較的メジャーなペグが、どのようなシチュエーションに向き不向きかと価格感を整理すると以下のとおりです。

ペグの種類と向き不向き・価格感
ペグの種類 硬い土 河原 砂浜 強い風 価格感
プラペグ
ピンペグ
ネイルペグ
アルミT字・Y字・十字ペグ
アルミU字・V字ペグ
鍛造スチールペグ
ステンレスペグ
チタンペグ

芝生や固くない土で、風も強くないのであれば、どのペグでも利用できます。

硬い土になるとプラペグやアルミのU字・V字のペグでは折れ曲がるリスクが高くなります。

河原などかなり石が多い場所では通常のペグでは刺さらない、折れ曲がるリスクが大きいです。

砂浜は特殊で接地面が広くなるU字・V字が強いです。他のペグの場合、40cm以上の長いペグを使うか、砂を掘り起こしある程度硬い地盤になってから打ち込むなどの工夫が必要です。

強い風が吹く荒天時は、風向きによりどっかのペグにだけ強い負荷がかかることがあります。強度面に優れる鍛造ペグ、チタンペグが安心です。

このように各種ペグは向き・不向きがあるため、自分が行くであろうシチュエーションの範囲がある程度絞れるなら過剰な性能を避け、価格感から選ぶのも1つの手です。

ポイント2.テントやタープに合わせて長さを選ぶ

ペグは深く打ち込むことで引っ張る力に対抗する摩擦力を得ます。そのために長ければ長いほど抜けにくくなります。

一方で打ち込む深さが深くなるほど時間も労力も使います。設営するテントやタープの大きさに合わせて必要な長さを選択しましょう。

一般的なテントであれば20cm前後、大型テントやタープであれば30cm前後が1つの目安です。

ただし雨天時には水が入り込み摩擦力が減ります。打ち込む本数を1本で済ませたいなら40cmを何カ所かに仕込ませたほうが安全です。

使用する本数は多くなりますが1本のガイロープに2本のペグで強度を高める打ち方もあります。

ポイント3.打ち心地で選ぶ

ハンマーでペグを打ったとき

  • 頭部の面積が大きい
  • 重い金属
  • 先端が細い

ほど、1回で打ち込む深さが深くなり、気持ちよくペグを打てます。

また重い金属ほど鳴り響く音が重厚でかっこいいです。そういったものに憧れがある人は鍛造ペグがオススメです。

ポイント4.耐久性で選ぶ

ペグは消耗品です。地面の下がある程度硬い場合、アルミ合金だと下手したら数回に1本のペースで折れ曲がります。鍛造スチールでも数十回もキャンプに行くと1〜2本は折れ曲がります。

頑丈なペグほど長持ちしますが、重く持ち運びなどには苦労します。

キャンプに行く回数が年に1,2回程度であれば耐久性よりも価格や重さを重視しても良いです。

その場合、アルミ十字ペグなどが候補となり、少し多めに購入し、消耗品と割り切った使い方になります。

キャンプに行く回数がある程度見込んでいる場合、サビに強いチタンとステンレスは有力な候補です。また鍛造ペグも塗装などの加工でサビにくいようになっているので、この3つが有力な選択肢です。

ポイント5.価格で選ぶ

ペグには中国製の比較的安い商品があります。

中国でもSoomloomなど日本に支社があるような大手はサポート面は頑張っていますが、高い技術が必要な商品の品質面については日本やアメリカの大手にはまだ一歩及びません。

そのため鍛造ペグなどはある程度不良品が混ざるリスクがあります。

例えばSoomloomの鍛造ペグは突起部分が後付で溶接されています。国内メーカーはそこも一体成型です。

そのためAmazonの口コミで確認すると溶接周りでの初期不良が散見されます。それでも価格面は魅力的ですので、初期不良での交換の手間などを考慮できるならば1つの選択肢です。

私が選ぶ最強のペグ

私が選んだ最強のペグは「村の鍛冶屋 エリッゼ鍛造 64チタンペグ300mm」です。

  • 見た目がとてもカッコいい
  • 打ち込んだときに鳴り響く音がカッコいい
  • 荒天時でも安心できる信頼性の高さ
  • 石を貫く頑丈さ

興味を持った人は、ぜひお試しください。