出典:trangia
近年のキャンプブームとともに人気が急上昇したメスティン。本来は炊飯するためのクッカーですが、パスタをゆでたり揚げ物をしたり、蒸し料理をしたりとさまざまな調理が楽しめます。
人気のメスティンですが、実は使い方に注意点もあります。
例えば、メスティンは空焚きすると溶けることをご存じですか?せっかく買ったメスティンが溶けて穴が空いてしまったらガッカリですよね。
今回はメスティンについて種類やメリット・デメリット、選び方のポイントを解説します。また初心者向け、おしゃれな商品、最強の商品など、いろいろな観点でおすすめ5商品を選びました。メスティンの全てをご紹介します。
万能クッカーとしてさまざまな調理が楽しめるメスティンについて知りたい方は、ぜひご一読ください。

イソガワ エミ
メスティンとは?
メスティンとは、お米を炊くための箱型の飯ごうです。素材の多くはアルミ製で、熱伝導率が高く、バーナーなどで簡単においしいご飯が炊けます。
メスティンの名前の由来ですが、軍隊では食事のことを英語で「mess」と言い、「tin」はブリキ製の容器の意味があります。
(※)参考:元米軍大尉が教える!!軍隊式英会話術
元は軍での食事の携帯に使う容器であったものが、今はアウトドアを楽しむ人たちの便利なクッカーとして親しまれています。
メスティンといえば、スウェーデン発祥のアウトドアブランド「トランギア社」が真っ先に頭に浮かぶ方も多いのでは。
しかし、その他にもさまざまなメーカーからメスティンが発売されています。
アウトドアブランドはもちろんのこと、ホームセンターや100円ショップからも発売され、メスティンの人気と注目度の高さが伺えます。
特徴

メスティンはお米を炊くためのクッカーですが、炊飯のみならず「万能クッカー」としてアウトドアで便利に活躍します。多様な調理ができるので、アウトドアで作れる料理の幅が大きく広がります。
軽量でコンパクトなので、手軽に使えるのも魅力です。
大きめのメスティンは、小物を入れるスタッキング収納としても使えます。
値段も手に入りやすく、気軽に使えるクッカーです。
また、アウトドアだけでなく家でランチボックスのように使う人もいます。アルミ製のシンプルなデザインゆえに、家庭でアウトドアテイストの食事を楽しむ食器として使えます。
オプションパーツも多く発売されています。ハンドルにカバーをつけたり、専用ケースに入れたりと好みのオプションで自分流にカスタマイズするのもおすすめです。
メリット:軽量で汎用性が高い
メスティンは、「万能クッカー」と呼ばれるように多くの調理ができます。
メスティンのメリットをご紹介します。
- 軽量でコンパクト
- 多様性がある
- 熱伝導率が高いので美味しいご飯が炊ける
1つずつみていきます。
軽量でコンパクト
メスティンの多くはアルミ製で薄くて軽いのが特徴です。
オートキャンプを楽しむ人や、山キャンプをする人など、荷物を極力減らしたい人には特におすすめです。
また、ハンドルを折りたためばスクエア型になるのでカバンやリュックの中に収まりがよいです。
その上、メスティンの中に小物をいれて、収納の1つとして使うこともできます。
多様性がある
例を挙げると
・炊飯
・焼く
・煮る
・蒸す
・揚げる
以上の調理法が可能です。
また、お湯を沸かす時にも使えます。
1つあれば、料理の幅がグッと広がります。
美味しいごはんが炊ける
アルミ製のメスティンは、熱伝導率が高く、一気に加熱することでふっくらとした美味しいごはんが炊けます。
メスティンを使った炊飯の仕方はとても簡単。
カセットコンロやガスコンロ、ワンバーナーで炊く場合
- お米を洗ってしっかり吸水させる
- メスティンにお米と水を計って入れて蓋をする
- 中~強火にかける
- 吹きこぼれたら、弱火にする
- パチパチと乾いた音がしたら火を止める(約10~13分)
- タオルなどに包んで蒸らして保温する
固形燃料を使った炊飯はもっと簡単です。
- メスティンに水で洗ってしっかり吸水させたお米を入れて、固形燃料の火にかける(約20~30分)
- 火が消えたら、タオルなどに包んで蒸らして保温する
火加減を気にする必要がなく、時間も火が消えるまでほったらかしで大丈夫。
少し時間はかかりますが、自動炊飯できるのは魅力です。
ちょっと手を加えて、炊き込みごはんを作るのもおすすめです。
デメリット:壊れやすく専門クッカーよりは使い勝手が落ちる
メスティンを使う際に注意したいデメリットをまとめました。
- アルミ製なので空焚きすると溶ける
- アルミ製の特徴としてこげつきやすい
- アルミ製のため傷つきやすい
- 専門のクッカーよりも使い勝手が落ちる
1つずつみていきます。

空焚きすると溶ける
アルミ製のメスティンは融点が660℃程度と比較的低く、溶けやすい性質があります。
融点についてピンとこない方もいるかもしれませんが、フライパンなどで使われる鉄の融点が1500℃程度なので、アルミの融点が低いことが分かります。そのため、空焚きで高温になるとアルミが変形して歪み、蓋が閉まらなくなってしまいます。
アルミが溶けて穴が開く場合もあるので注意が必要です。
焚き火で直火にあてたり、バーナーで強火にあてたりしても高温になりやすいので注意が必要です。
燻製も同様に注意が必要です。バーナーを使って強火でスモークチップを燻す時に、空焚きに近い状態になるので気を付けてください。
メスティンで燻製をする場合には、固定燃料を使うか、弱めの火でじっくりと温度を上げるように気を付ける必要があります。一ヵ所に熱が集中しないよう、加熱場所を動かしながら燻すことも意識してください。
こげつきやすい
アルミ素材のデメリットとして、酸化して黒色に変色したり、サビやすくこげつきやすいです。
酸化やこげつきを防止するために、シーズニングが必要です。シーズニングをして被膜を作り、アルミの表面を守ります。また、アルミ特有の金属臭を抑える効果もあります。
シーズニングの仕方
米の研ぎ汁で、ハンドルを外したメスティンを15〜20分煮る。
また、アルマイト加工などの製品を購入すればシーズニング不要でこげつきを防げます。
傷つきやすい
アルミ製のため、表面が傷つきやすいので金属製のたわしで洗うのはNGです。
傷がつかない柔らかいスポンジでやさしく洗います。
専門のクッカーよりも使い勝手が落ちる
多くの調理法に対応できるメスティンですが、調理法によっては専門のクッカーより使い勝手が落ちます。
例えば、焼くだけなら鉄板などに比べてメスティンは蓄熱性が低いです。それに煮物をする場合なら、大量に作るには鍋の方が使い勝手が良いです。
作るものによっては、専門のクッカーの方が便利に使えます。
種類
メスティンの種類は、素材とサイズで分かれます。
素材
メスティンの多くはアルミ製ですが、中にはチタンやステンレスもあります。
アルミ製メスティンは、熱伝導率が高く、熱がまんべんなくいきわたります。一気に加熱できるため、アルミ製のメスティンはふっくらおいしいごはんが炊けます。
軽量なので持ち運びに優れ、扱いやすいです。
一方でアルミは融点が低いので熱で変形したり溶けてしまう場合も。火加減には注意が必要です。
チタン製メスティンは、アルミに比べて強度があるのでへこむ心配が少なくすみます。熱伝導率は3つの素材の中で一番低く、温まりにくいですが冷めにくい特性があります。
丈夫ですが、お値段は高い傾向です
ステンレス製メスティンも、アルミよりタフで変形の心配が少ないです。サビにくいのも特徴の1つ。
重いので、山キャンプなど荷物を軽くまとめたい方には不向きなメスティンです。
サイズ
メスティンは3つのサイズに分かれます。
容量と炊飯できるお米の量を表にしました。
スモールサイズ | レギュラーサイズ | ラージサイズ |
約500ml | 約700~850ml | 約1000~1350ml |
約1合 | 約1.5~2合 | 約3合以上 |
ソロキャンプならスモールかレギュラー、ファミリーキャンプならラージサイズがおすすめです。
メスティンの選び方
一見、どれも同じに見えるメスティンですが、どうやって選べばよいのでしょうか。
メスティンを選ぶ場合には、以下を確認してください。
・バリ取りの有無
・アルマイト加工の有無
・メモリがついているか
詳しくみていきます。
ポイント1. アルマイト加工の有無
メスティンには、酸化や焦げつきを防止する「アルマイト加工」されているものがあります。
シーズニングをしなくても使えるので、手入れをラクにしたい方は加工されているものを選ぶと良いです。
「フッ素加工」されているものも同様、シーズニング不要でサビやこげつきを防げます。
ポイント2. バリ取りの有無
購入直後のメスティンは、アルミを切断した際のバリが残っている場合があります。
すでにバリ取りされているものを買えば、自分で処理する手間が省けます。
バリ取りの仕方:
サンドペーパーや、やすりでザラザラした食感がなくなるまで磨く。
ポイント3.水の計量メモリがついているか
メスティンの内側に計量メモリがついているものがあります。計量カップがいらないので、お手軽に炊飯したい方はメモリ付きのものが便利です。
また、メモリがついていればメスティン自体を計量カップとして使うことも可能です。
おすすめのメスティン
メスティンは、アルミでできた箱型の飯ごうです。炊飯だけでなく、揚げ物や炒め物、蒸し料理、など多様な調理ができます。
調理以外の使い方として、メスティンの中に小物をスタッキング収納できます。
また、お弁当箱として使えば家庭でアウトドアテイストの食事を楽しめます。
多くのメーカーから発売されていますが、シンプルな見た目ゆえに決め手を見つけにくいかもしれません。
そこで今回は、初めての方にも使いやすいものや、見た目や強度にこだわったもの、使うなら元祖という方におすすめしたいものを紹介します。それぞれの特徴をしっかり記載しましたので、ぜひ自分に合ったメスティン探しの参考にしてください。
初心者におすすめの「フィールドア メスティン アルミクッカー」
初めてメスティンを使う方におすすめの理由は
- ノンスティック加工
- バリ取り済み
- シーズニング不用
- リーズナブル
- 黒色でスタイリッシュ
黒色で目を引くフィールドアのメスティン。
1番の魅力はノンスティック加工です。ノンスティック加工とは、アルミにフッ素樹脂を焼き付けたものを言います。メスティンのデメリットでもある焦げ付きを防ぎ、サッと洗えるのが魅力です。
シーズニング、バリ取り、ともに加工済みなので購入してすぐに使えます。
ノンスティック加工でありながら値段もお求めやすく、まずは手間をかけずにメスティンを使ってみたい方におすすめです。
フィールドアのメスティンの外観や注意点、実際に調理をする様子を確認したい方はこちらの動画がわかりやすかったので参考にしてください。
ステップアップにおすすめの「ミリキャンプ M-250 PRO メスティンセット」
おすすめの理由としては
- メスティン料理を存分に楽しめる
- オプション品はすべてスタッキング収納可能
- バリ取り済み
- シーズニング不用
- 計量メモリつき
ポケットストーブと風防がセットになっているので、固形燃料を使った炊飯がすぐにできます。火加減も時間も気にせず、固形燃料の火が消えるまでほったらかしでの炊飯が可能です。
セットのバット網を使えば、炊飯だけでなく蒸し料理や燻製といった調理が可能になるので料理の幅が広がります。
メスティンといえばスタッキング収納も魅力の1つ。付属品はすべてメスティン内に収納可能なので、調理以外のメスティンの楽しみも味わえます。
蒸し料理やスタッキング収納など、メスティンの炊飯以外の魅力も存分に味わいたい方におすすめです。
耐久性が優秀でおすすめの「ロゴス メスキット」
とにかく丈夫なメスティンをお探しの方におすすめの理由は
- ハードアルマイト加工
- 縁の部分が曲げ加工されているので変形しにくい
- 蓋に取っ手がついている
- バリ取り済み
- シーズニング不要
ロゴスのメスキットはハードアルマイト加工されています。
一般的なアルマイト加工よりさらに傷や腐食に強いので、丈夫なメスティンが欲しい方におすすめです。
縁の部分に曲げ加工されているので、変形しにくいのも魅力です。
調理中にメスティンの蓋を取って中身を確認したい時に、取っ手が便利に使えます。
おしゃれなメスティン「skater アルミ製カラーメスティン」
おしゃれなメスティンをお探しの方におすすめの理由としては
- イエロー、レッド、グリーンなどカラフルで写真映えする
- シーズニング不要
- 計量メモリ付き
- メスティンで作れるレシピ付き
蓋と取っ手に鮮やかなカラーが入ったメスティン。
アルミむき出しの無骨なメスティンが多い中、カラフルなメスティンは目を引きます。
シーズニング不要なのでお手入れ簡単。
レシピ付きなので、購入したら早速お料理に挑戦できます。
最強のメスティン「トランギア メスティン TR-210」
トランギアのメスティンを最強としておすすめする理由は
- メスティンの元祖
- 蓋がしっかり閉まる
- お手入れで愛着が沸く
元祖といわれるトランギアのメスティン。
加工や計量メモリはなく、シンプルで武骨なメスティンです。
蓋がしっかり閉まるので、炊飯の際にしっかりと圧力がかかりおいしいご飯が炊けます。
バリ取りやシーズニングが必要ですが、お手入れすることで愛着が沸き、大切に使い続けたくなります。
トランギアのメスティンのシーズニングとバリ取りの方法を、BBQ芸人のYouTubeチャンネル「たけだバーベキューTV」の中で紹介されています。わかりやすかったので参考にしてください。
まとめ
メスティンは万能クッカーとして、キャンプ飯をおいしく盛り上げてくれること請け合いのアイテムです。小型で軽量なので、身軽にアウトドアを楽しみたい方には特におすすめです。
また、お弁当箱として使えば、アウトドアの雰囲気を家庭でも味わえます。スタッキング収納としても活躍しますし、メスティンは色々な使い方を楽しめます。
ぜひ、あなたのお気に入りのメスティンを探してください。