ダッチオーブン選びに迷っていませんか? ワイルドに焚き火台で調理するダッチオーブンは、いかにもキャンプという感じで憧れますよね。
今回はダッチオーブンについて種類、メリット・デメリット、選び方のポイントを解説します。また初心者向け、おしゃれ優先、最強の商品など、いろいろな観点でおすすめ5商品を選びました。最新の人気ランキング(2022年12月調べ)も交えてダッチオーブンの全てをご紹介します。
キャンプ料理のバリエーションがグッと広がるダッチオーブンについてもっと知りたい方は、ぜひご一読ください。

イソガワ エミ

タニ ヤオミ
- ダッチオーブンとは?
- ダッチオーブンの選び方
- おすすめのダッチオーブン
-
ダッチオーブン最新人気ランキング
- 1位:TSBBQ ライトステンレスダッチオーブン(ステンレス10インチ 20,900円〜)
- 2位:SOTO ステンレスダッチオーブン(ステンレス10インチ 23,760円〜)
- 3位:Coleman ダッチオーブンSF(鋳鉄8インチ 6,960円〜)
- 4位:キャプテンスタッグ ダッチオーブン(鋳鉄9インチ 3,990円〜)
- 5位:岩鉄鉄器 ダグタイルダッチオーブン(ダグタイル鋳鉄 だ円形6×8インチ 19,800円〜)
- 6位:ロゴス SKダッチオーブン(鋳鉄12インチ 15,800円〜)
- 7位:ベルモント ステンレスダッチオーブン(ステンレス8インチ 14,850円〜)
- 8位:ユニフレーム UFダッチオーブン(黒皮鉄板10インチ 12,500円〜)
- 9位:LODGE CAMP DUTCH OVEN(鋳鉄8インチ 11,310円〜)
- 10位:CHUMS ダッチオーブン(鋳鉄10インチ7,744円〜)
- まとめ
ダッチオーブンとは?
ダッチオーブンとは、分厚い金属製の平らな蓋つき鍋のことです。炭火を蓋の上に置けるように平らな蓋がついており、オーブンのように上下から同時に加熱できます。ダッチオーブン1つでさまざまな調理法ができるので「万能鍋」とも呼ばれます。
ダッチオーブンはアメリカの西部開拓時代から使われている、歴史のある調理器具です。近年ではダッチオーブンの機能性に注目が集まり、ワンランク上のキャンプ飯を楽しみたいキャンパーに人気のクッカーとなっています。
アウトドアの一番の楽しみといっても過言ではないキャンプ飯を、存分に楽しみたい方は持っていて損はないクッカーです。
特徴
他のクッカーとの大きな違いは素材と厚みです。重く分厚い鋳鉄などでできたダッチオーブンは蓄熱性、保温性に優れているため、食材の旨味をぎゅっと閉じ込めてくれます。直火にも耐えうる丈夫さがあるので、焚き火で豪快に調理することも可能です。
ダッチオーブンは鍋に厚みがあり上から加熱できることから、あらゆる調理法が可能といっても過言ではないくらい多様な調理ができます。次の7つがダッチオーブンにできる調理法です。
- 煮る
- 焼く
- 蒸す
- 炊く
- 揚げる
- 燻す(燻製)
- オーブンとして使う
蓋が重く、密閉性が高いので圧力鍋のように使えます。また食材から出た水蒸気を逃しにくいので、無水料理も可能です。キャンプ飯の定番中の定番、カレーも野菜の水分だけで作れます。
蓋の上に炭を置くことで鍋の上下から熱を加え、オーブンのように食材にじっくり火を通せます。ローストビーフやローストチキンもダッチオーブンなら簡単です。石とさつまいもをダッチオーブンに入れて作るホクホクの石焼き芋もおすすめです。
ピザやパンもダッチオーブンがあればアウトドアで楽しめます。パン生地やピザ生地は、自宅で仕込んで持ち込めば時短で作れます。蓄熱性が高いので料理が冷めにくく、料理をおいしい温度でキープしてくれます。
とても便利なダッチオーブンはアウトドアではもちろんのこと、家庭で調理も可能です。IH対応のものや、家庭のガスコンロの上に置けるようダッチオーブンの下に脚がついていないものを選ぶと良いです。
メリット:おいしい料理でキャンプが盛り上がる
ダッチオーブンには次のようなメリットがあります。
- 本格的な料理が作れる
- 使い込むほどに魅力が増す
- キャンプ飯がおしゃれになる
蓄熱性、保温性に優れるダッチオーブンは、一般的な鍋やフライパンよりも作れる料理の幅が広がります。圧力鍋と同様の加圧の仕組みで、煮込み料理などは調理時間が短くなり、かたい食材も柔らかく美味しくなります。
ダッチオーブンは「育てる鍋」と言われるように、使い込むほどの味がでます。使い込んだダッチオーブンは「ブラックポット」と呼ばれる独特の美しい黒光りをみせ、キャンパーの憧れの1つです。
ダッチオーブンの料理はお皿に盛りつけずに、そのままサーブしてもおしゃれにみえます。キャンプ飯が一気に華やかになる魅力があります。
デメリット:お手入れが必要
一方、次のようなデメリットがあります。
- 重たい
- メンテナンスが必要
- 洗剤で洗えない
厚みがあることで蓄熱性、保温性に優れている反面、重いものが多いです。身軽にキャンプに行きたい方にはおすすめのクッカーではありません。
また一般的な鋳鉄製のダッチオーブンはシーズニングが必要です。大手アウトドアメーカー製品はシーズニング済(プレシーズニング)の製品が多いですが、安い商品では自ら行う必要があります。ステンレス製はシーズニングが不要ですので、選ぶ際の参考にしてください。
鋳鉄製などのシーズニングによってできた被膜は洗剤で強く洗うと落ちてしまいます。そのため利用後はお湯を沸騰させて汚れを落とすなどの手間が増えます。油汚れがひどい場合は洗剤で洗って、もう一度シーズニングをしなおします。ステンレス製であれば気にせず洗剤で洗えます。
「シーズニング」とは
シーズニングには調味料という意味と、鉄製のスキレットや鍋などのお手入れの2つの意味があります。ここでのシーズニングはお手入れのほうです。
購入したばかりのダッチオーブンの表面にはワックスなどが塗られています。それらを洗い落とし、新たに食用油でコーティングして皮膜を作ります。皮膜はサビ付きを防止し、調理する際には鍋肌が油をはじかなくなり、なじみが良くなります。

種類
ダッチオーブンは素材によって鋳鉄、黒皮鉄板、ダクタイル鋳鉄、ステンレスの4つの種類に分かれます。それぞれの特徴をみていきます。
鋳鉄
最もポピュラーなタイプのダッチオーブンです。値段は比較的安価で種類も豊富です。使い込むほどに油がなじんで焦げ付きにくくなり、特有の黒光りをみせる「ブラックポット」ができます。そしてしっかりメンテナンスすることで長持ちします。
シーズニングが必要であり、ヒートショックによる割れに注意しなくてはなりません。お手入れの方法は、洗剤を使えないのでお湯とたわしで洗うようにします。
黒皮鉄板
黒皮という酸化皮膜で覆われたダッチオーブンです。表面が凸凹しているので油なじみが良く、中華鍋やフライパンにも使用される素材です。
金属製のたわしでごしごし洗っても劣化しにくいのが特徴で、サビやヒートショックにも強いです。洗剤も使用できるので鋳鉄製より扱いやすいですが、シーズニングなどメンテナンスは必要です。
ステンレス製
お手入れが楽で、使いやすいダッチオーブンです。シーズニングが不要で、普通の鍋のように食器用洗剤で洗うことができます。残った料理を入れっぱなしにしても、サビが浮いてくることがありません。
炭火で使う場合は表面が汚れやすく、耐久性はやや劣ります。ダッチオーブンならではの「育てる鍋」ではなく、家庭でも使いやすいお手軽な鍋といえます。
ダクタイル鋳鉄
「強靭な」という意味を持つダクタイル鋳鉄は、衝撃やヒートショックに強いです。薄くて軽いという特徴があります。サビに強く、扱いやすく、鉄のダッチオーブンのよさもしっかりあります。ただし、商品の選択肢は少なく値段が高いです。
ダッチオーブンの選び方
ダッチオーブンにはアウトドア用、家庭用、兼用の三種類があります。家庭用はホーロー製だったりIH対応など使い勝手が良いのですが、蓋の上に炭火を置けないのでキャンプには不向きです。
アウトドア用か兼用タイプから、サイズ、素材、用途で候補を絞り込み、デザイン、収納性、値段で自分に合ったダッチオーブンを選びましょう。
ポイント1. サイズで選ぶ
6〜12インチが一般的なダッチオーブンの大きさです。以下の表がサイズごとの使用人数の目安です。
サイズ | 満水容量 | 使用人数 |
---|---|---|
6インチ(約15cm) | 1.2L | 1人用 |
8インチ(約20cm) | 2.9L | 1〜2人用 |
10インチ(約25cm) | 5.0L | 3〜4人用 |
12インチ(約30cm) | 8.2L | 4〜6人用 |
小さな6インチ(約15cm)はソロキャンプ向きです。ただし、ファミリーキャンプでもサブ調理器具として、揚げ物をするなど便利に使えます。
10インチが家庭用コンロにもおさまりが良いので、迷ったら汎用性が高い10インチがおすすめです。
ポイント2. 素材で選ぶ
一般的なのは鋳鉄製ですが、メンテナンスの手間が掛かります。不便さもキャンプの1つとして楽しめるならば価格が安い鋳鉄製がおすすめですが、その時間を他のアクテビティに使用したい人はステンレス製がおすすめです。
ポイント3. 用途で選ぶ
主に野外で使う場合、蓋の形状と脚の有無を確認してください。蓋にフチがついているタイプが炭火を蓋の上に置き、上下の熱を利用してオーブンのようにじっくりと旨味を閉じ込めて食材を調理できます。
下に脚があるタイプは炭火の上に直接置いて調理しても傾きにくく安定します。脚がないタイプでも、ダッチオーブンスタンドを使えば、炭や焚き火台から距離を置いて料理できるので焦げにくく、じっくり食材を温められます。
家庭でも使用したい場合、鍋の下に脚がないフラットなタイプを選んでください。自宅のコンロがIHならば、IH対応か確認も必要です。サイズは10インチまでが家庭用のコンロにおさまりが良くて使いやすいです。お手入れのしやすいステンレス製が普段使いではおすすめです。
おすすめのダッチオーブン
初心者におすすめのものから、おしゃれさにこだわったものなど、おすすめ商品を5つご紹介します。おすすめポイントも記載しましたので、ダッチオーブンを買う際のご参考にしてください。
初心者におすすめの「キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) ダッチオーブン」
おすすめの理由としては
- 値段が安い
- シーズニングが不要
- ガスコンロ、IH対応
鋳鉄製でありながら、シーズニングが不要なのが嬉しいポイントです。ガスコンロ、IH対応なので自宅使いができます。
他メーカーのダッチオーブンに比べてお値打ちなので、まずは気軽な気持ちで買ってみたいというかたに特におすすめしたい商品です。
キャプテンスタッグのダッチオーブンを使って、こちらの動画で美味しそうな煮込み料理を作っているので参考にしてください。
ステップアップにおすすめの「ユニフレーム(UNIFLAME) UFダッチオーブン」
キャンプに慣れてきた方におすすめする理由は
- ヒートショックに強い
- 洗剤で洗える
- ガスコンロ、IH対応
- 割れにくい
- サビに強い
素材は黒皮鉄板です。鋳鉄製と同じように使えるのに、洗剤や金属たわしでゴシゴシ洗えるので取り扱いが楽です。ヒートショックにも強いので、温度差で割れにくいのも魅力です。
この商品のシーズニングの方法について、こちらの動画がわかりやすかったので参考にしてください。
ステンレス製でおすすめの「SOTO ステンレスダッチオーブン」
ステンレス製で家庭でも使いやすいSOTOのダッチオーブンをおすすめする理由は
- シーズニングが不要
- 洗剤で洗える
- ガスコンロ、IH対応
- 鍋に残った料理を入れたまま保存できる
- サビに強い
- 鉄製のものより軽い
家庭で一般的に使う鍋のように気楽に使えます。残った料理を入れたまま保存できるので、そのまま温めなおして食べられます。鉄のダッチオーブンよりも軽いので、アウトドアではもちろんのこと、自宅でも大変使いやすいです。
おしゃれなダッチオーブン「キャプテンスタッグ ココット」
おしゃれなダッチオーブンを使用したい方におすすめの理由は
- シーズニングが不要
- フッ素加工
- ガスコンロ、IH対応
- 見た目がおしゃれなココット型
ココット型がおしゃれで、使うのが楽しくなります。アウトドアではもちろん、ご家庭でそのまま食卓にサーブしても華やかです。小さなサイズもあるので、ソロキャンプにもおすすめです。
この商品の大きさ、使い勝手などはこちらの動画がわかりやすかったので参考にしてください。
最強のダッチオーブン「スノーピーク(Snow Peak)和鉄ダッチオーブン」
スノーピークのダッチオーブンを最強と呼ぶ理由は
- 薄くて軽い
- デザイン性に優れている
- ヒートショックに強い
- IH対応
ダクタイル鋳鉄のダッチオーブンです。薄くて軽いのに丈夫で、ヒートショックに強いため使い勝手がいいです。コロッとしたフォルムが美しく、デザイン性の高さも魅力です。値段は高いですが、一生モノのダッチオーブンです。
この商品のシーズニングや使い勝手などはこちらの動画がわかりやすかったので参考にしてください。
ダッチオーブン最新人気ランキング
ダッチオーブンの人気はどのようになっているのか。楽天のダッチオーブンランキングを元にTOP10を調査しました。
2022年11月28日~12月4日の期間を対象として楽天が2022年12月7日に公表したダッチオーブンランキング(売上や取り扱い店舗数などから楽天独自ランキング)を元に、
- ダッチオーブンを対象として抽出
- 混ざっているスキレットやセット商品などは除外
- ノーブランド、ショップブランドを除外
- 同一商品の販売店違い、色違い、サイズ違い、オプション違いを除外(最上位のみ掲載)
を行った。また商品情報が不足時はメーカー公式サイトやネットに公開されている取扱説明書の情報を元に追記した。
1位:TSBBQ ライトステンレスダッチオーブン(ステンレス10インチ 20,900円〜)
2位:SOTO ステンレスダッチオーブン(ステンレス10インチ 23,760円〜)
3位:Coleman ダッチオーブンSF(鋳鉄8インチ 6,960円〜)
4位:キャプテンスタッグ ダッチオーブン(鋳鉄9インチ 3,990円〜)
5位:岩鉄鉄器 ダグタイルダッチオーブン(ダグタイル鋳鉄 だ円形6×8インチ 19,800円〜)
6位:ロゴス SKダッチオーブン(鋳鉄12インチ 15,800円〜)
7位:ベルモント ステンレスダッチオーブン(ステンレス8インチ 14,850円〜)
8位:ユニフレーム UFダッチオーブン(黒皮鉄板10インチ 12,500円〜)
9位:LODGE CAMP DUTCH OVEN(鋳鉄8インチ 11,310円〜)
10位:CHUMS ダッチオーブン(鋳鉄10インチ7,744円〜)
TOP10の中にステンレス3種類、鋳鉄5種類、黒皮鉄板1種類、ダグタイル鋳鉄1種類と分かれました。サイズは8〜10インチが多いのは3〜5人程度の需要が多いためでしょうか。また唯一脚がある商品として老舗LODGEの商品がランクインしました。
まとめ
今回はダッチオーブンの特徴や選び方、おすすめ商品をご紹介しました。興味はあるけどアウトドアでどれだけ使うか分からない場合には、家庭でも使いやすいタイプを選ぶといいです。「万能鍋」として、家庭でのお料理でも活躍が期待できます。
どんな料理を作ってみようか、考える時間も楽しい時間です。ダッチオーブンで作れる料理は、検索するとたくさんのレシピが見つかります。キャンプ飯がマンネリしている方や、もっといろいろな料理に挑戦してみたい方は、ぜひチェックしてください。
お気に入りのダッチオーブンを見つけて、家族や大切な人との食事を楽しんでください。

タニ ヤオミ
私がキャンプを始めたころはキャンプ飯といえばダッチオーブン料理でした。焼く、煮る、炊く、揚げる、蒸す、炒めると汎用性が高いので一つ持っているだけで幅広い料理が可能です。
特にダッチオーブンのメリットは蓋の上に炭や薪を置いて上部からも熱を加えて調理が可能な点です。また無水調理が行えるように密閉性が高いタイプもあります。
サイズもソロ用の6インチ程のものから大人数向けと、幅広く展開しているのもいいですよね。
さまざまなメーカーから販売されているダッチオーブン。ニトリやstaubなど、アウトドアメーカー以外からも販売されています。それに伴い、色や形も種類豊富になってきました。
ダッチオーブンの由来は所説ありますが、一説にはヨーロッパで古くから使われている鋳鉄製の蓋つき鍋をオランダ人がアメリカに持ち込んだのが始まりだそうです。(参考:wikipedia Dutch oven)
シンプルな鍋だからこそ、今日まで長く愛用されているダッチオーブン。お好みの色や形、素材のものを選ぶことで更にキャンプの時間が有意義になること間違いなしです。