焚き火シート(スパッタシート)を知っていますか? 焚き火台だけでは火の粉を完全に防げないため、草地や枯れ葉の上で焚き火をするには必須のキャンプギアです。
今回は焚き火シートについて種類やメリット・デメリット、選び方のポイントを解説します。また初心者向け、おしゃれ優先、最強の商品など、いろいろな観点でおすすめ4商品を選びました。最新の人気ランキング(2022年12月調べ)も交えて焚き火シートの全てをご紹介します。
燃えない不思議な布、焚き火シートについて知りたい方は、ぜひご一読ください。

ハシモト ユウスケ

タニ ヤオミ
- 焚き火シート(スパッタシート)とは?
- 焚き火シートの選び方
- おすすめの焚き火シート
-
焚き火シート最新人気ランキング
- 1位:ZEN Camps 焚き火シート(ガラス繊維シリコン加工95x60cm 3,582円〜)
- 2位:ChillCamping 焚き火シート(ガラス繊維シリコン加工100x100cm 3,582円〜)
- 3位:CAMP GREEB 焚き火シート(ガラス繊維シリコン加工60x80cm 1,780円〜)
- 4位:Kalili 焚き火シート(ガラス繊維80x60cm 1,000円〜)
- 5位:s-flowme TAKIBI SHEET(ガラス繊維80x60cm 1,100円〜)
- 6位:SCAMPER 焚き火シート(ガラス繊維60x50cm 850円〜)
- 7位:Hilander 焚き火シート(ガラス繊維80x80cm 1,280円〜)
- 8位:South Light 焚き火シート(ガラス繊維100x100cm 880円〜)
- まとめ
焚き火シート(スパッタシート)とは?
焚き火シートとは地面を守るために焚き火台の下に敷くシートのことです。スパッタシートとも呼ばれます。もともとは溶接時の火花受けとして使用されていたスパッタシートを、焚き火に流用したのが焚き火シートのはじまりです。
ほとんどのキャンプ場では直火での焚き火を禁止しており、キャンプで焚き火をするなら焚き火台が必要です。しかし、焚き火台だけでは火の粉や熱で地面を痛めてしまうので焚き火シートで保護します。
特徴
焚き火シートは焚き火台からの輻射熱や飛び散った火の粉から、芝生への延焼や地面へのダメージを軽減します。そのため断熱性能と防炎・難燃性能を持ちます。また地面に残る細かい灰などが減るので次に使用する人への配慮ともなります。
焚き火台は床面から地面方向へ輻射熱(放射熱)を発するため、連続的に地面が熱せられます。焚き火シートがあるとこの輻射熱によるダメージを軽減できます。
また焚き火から飛び散る火の粉は瞬間的に700〜800℃になります。火の粉は小さいためすぐに温度は下がっていきますが、焚き火シートにはこの瞬間的な断熱性能も持ちます。
また生地自体の防炎・難燃性能も当然高く、火のついた薪が焚き火シートに崩れ落ちても、すぐに拾えば燃えません。

メリット:芝生や地面を守り後片付けが簡単に
焚き火シートのメリットは以下の3点です。
- 焚き火台の輻射熱や火の粉の熱から芝生や地面を守る
- 焚き火後の後片付けが簡単
- 収納性が良い
焚き火をすると必ず火の粉や灰がでます。焚き火シートを使用することで火の粉や灰などの熱から芝生への延焼や地面へのダメージを軽減し、環境への配慮ができます。
また焚き火台から落ちた灰をまとめて捨てることができます。灰を拾う手間を省くことができるため、焚き火後の後片付けが簡単です。
焚き火シートは丸めたり、折りたためるので収納性に優れています。大きさによっては焚き火台の収納袋に一緒に入れることができます。
デメリット:強風時は手間、定期的に買い替え
焚き火シートのデメリットは以下の2点です。
- 強風時は設置に手間がかかる
- 定期的に買い替えが必要
風が強い日は焚き火シートがめくれてしまい、焚き火台が倒れる危険性があります。その対策として四隅におもしを置いたりペグダウンしたりする必要があり、設置に手間がかかります。
またガラス繊維の焚き火シートは熱を受けると硬くなるため、使用回数が多くなると生地が傷んで破れやすくなります。使い続けると穴が空いてしまったり、焦げあとも増えるので定期的に買い替えが必要です。

焚き火台のよくある質問
種類
焚き火シートは生地の素材によって
- 耐炎繊維(炭素繊維織物)
- 耐炎繊維(カーボンフェルト)
- ガラス繊維(グラスファイバー)
- シリカ繊維
の4種類に分けることができます。それぞれの特徴は次の表のとおりです。
種類 | 耐熱性 | 手触り | 価格 |
---|---|---|---|
耐炎繊維(炭素繊維織物) | 瞬間1,300℃* 連続230℃ |
◎ | ✕ |
耐炎繊維(カーボンフェルト) | 瞬間1,300℃* 連続230℃ |
◯ | ◯ |
ガラス繊維 | 瞬間800℃* 連続550℃ |
✕ | ◎ |
シリカ繊維 | 瞬間1,800℃* 連続1,100℃ |
✕ | ◯ |
また生地の表面は
- 片面シリコン加工
- 両面シリコン加工
- シリコン加工なし
の3種類があります。シリコン加工により手触り、耐熱性能、防汚性能が向上します。
耐炎繊維(炭素繊維織物)
耐炎繊維(炭素繊維織物)はアクリル繊維などを原料に、高温で炭化した繊維です。焚き火シートの場合、素材として耐炎繊維だけの表記も多く見かけます。
高い耐炎性を備えており、飛散した火の粉などの炎に強いのが特徴です。繊維が柔らかく丸めたり、折りたたむことでコンパクトに収納できます。ガラス繊維系と違ってチクチクするような感触がなく、素手で触っても滑らかです。ただし、ガラス繊維系に比べて連続耐熱温度が低く、高価です。
耐炎繊維(カーボンフェルト)
耐炎繊維(カーボンフェルト)は不織布です。炭素繊維織物と原料は一緒ですが、織物と違って糸を絡ませた状態のため、ふわっとした手触りです。
織物より軽いのですが厚みはあります。吉野株式会社の製品を例にすると織物は厚み1.0mm、重さ715g/m2に対して、フェルトは厚み2.0mm、重さ400g/m2と、重さは半分強ですが2倍の厚さです。
また製品の特性上、シリコン加工が出来ないため、汚れが残りやすいです。そのために買い替えの頻度は高くなります。素材が「耐炎繊維」だけの表記の場合、織物タイプかフェルトタイプか良く確認しましょう。
ガラス繊維(グラスファイバー)、シリカ繊維
ガラス繊維にはグラスウール(短繊維)とグラスファイバー(長繊維)があります。焚き火シートで使用されるのはグラスファイバーです。またグラスファイバーでも、原料を化学処理してSiO2成分を96 %以上としたガラスをシリカ繊維と呼び、より耐熱性能が向上します。
焚き火シートの原料としてはガラス繊維やグラスファイバーと表記されている場合、無アルカリガラスを原料とする一般的なグラスファイバーを指します。
全体を指す | 長さの分類 | 原料 | 焚き火シートの素材表記 |
---|---|---|---|
ガラス繊維 | グラスウール | 通常のガラスなど | 焚き火シートでは使われない |
グラスファイバー | 無アルカリガラス | ガラス繊維、グラスファイバー | |
化学処理でSiO2が96%以上のガラス | シリカ繊維 |
ガラス繊維は不燃材料で耐熱性に優れており、比較的安価で購入できます。ただしガラス繊維でも原料や製法の違いで連続使用温度が500℃程度から1000℃を超えるまで、商品によって大きく異なります。
またガラス繊維は生地が固く畳みづらく、無加工だと素手で触るとチクチクします。このチクチクは目に見えない細いガラス繊維が付着しているためです。折れたガラス繊維が手に刺さり、痛みが数日継続する場合があります。無加工のガラス繊維製品は素手で触らず必ず手袋を着用してください。
シリコン加工(片面、両面)
グラスファイバーは無加工だとチクチクした感触がありますが、シリコンをコーディングすることでその感触が軽減され、耐熱性も向上します。はっ水性が良く水が染み込まないので、簡単に汚れを拭き取ることができます。
シリコン加工は生地の片面のみコーディングしている商品と、生地の両面をコーディングしている商品があります。両面加工のほうが使い勝手は良いですが価格も高くなります。
焚き火シートの選び方
焚き火シートは焚き火台の下に敷いて使用します。焚き火台も合わせて購入することを考えている方は、次の記事で焚き火台の選び方、確認すべきポイントを確認してください。
焚き火シートは、事前に使用する焚き火台の大きさを確認し、耐熱性、ペグ穴の有無をチェックして選びましょう。
ポイント1. 焚き火台の大きさで選ぶ
焚き火をする際に発生する火の粉は、焚き火台の周囲に飛び散ります。そのため焚き火シートは焚き火台の大きさ「幅・奥行が約2倍」を目安に選びましょう。
一般的な3〜5人用のファミリーサイズの焚き火台であれば、四方のサイズが約50cm以下なので約1m四方のサイズであれば、ほとんどの焚き火台で使用できます。それより大きい焚き火台を使用する場合は、大きさに応じてサイズを選びましょう。
ポイント2. 耐熱性で選ぶ
焚き火シートは焚き火台の下に敷き、長時間使用するため耐熱温度や使用温度を確認しましょう。耐熱温度とは一定の温度で連続して使用し続けても耐えられる温度のことです。
使用温度には瞬間使用温度と連続使用温度の2つがあります。瞬間使用温度は火元が瞬間的に触れた際に耐えられる限界の温度で、連続使用温度は焚き火シートの生地そのものの温度が上昇した際に耐え切れなくなる限界の温度です。
火の粉は瞬間的に700〜800℃まで温度が上昇することがあります。瞬間使用温度は800℃が1つの目安です。
連続使用温度は脚が高い焚き火台であればそこまで気にしなてく良いです。脚が低い焚き火台や大型の焚き火台は、地面がより熱くなるため連続使用温度が高いものを選びましょう。
ポイント3. シリコン加工の有無で選ぶ
シリコン加工がされていないガラス繊維系の焚き火シートは手袋着用が原則です。いちいち手袋の着脱は手間なので、シリコン加工がされている方が取り扱いが楽です。またシリコン加工には耐熱性向上や汚れが落ちやすいというメリットもあります。
ポイント4. ペグ穴(ハトメ)付きを選ぶ
風が強い場合は焚き火シートがめくれてしまいます。四隅に石などを重しで対策もできますが、見た目がスマートではないですし、小さい石では強風には耐えられません。ペグ穴(ハトメ)付きであればペグダウンすることで強風でもシートのめくれを防止できます。

おすすめの焚き火シート
焚き火シートは耐熱性の高い素材で作られており、使用することで地面へのダメージを軽減できます。素材にはカーボンフェルト(耐炎繊維)、ガラス繊維(グラスファイバー)、シリカ繊維の3種類があり、耐熱性能が異なります。ガラス繊維系の場合シリコン加工の有無で使い勝手が大きく異なります。
このように焚き火シートと言っても、各メーカーでさまざまな商品が展開されています。ここでは初心者向けから上級者が納得の商品まで、おすすめの商品をご紹介します。
初心者におすすめの「バンドック 焚き火シート」
おすすめのポイント
- カーボンフェルト製で柔らかく手触りが良い
- 耐炎繊維の中ではかなり安い
- 軽量で折りたたみやすい
バンドック 焚き火シートはカーボンフェルト製の焚き火シートです。無加工のグラスファイバー製と違って手袋をしなくても触れます。折りたたみやすく、約140gと軽量のため収納性も抜群です。
ペグ穴がないため、風が強い場合は四隅におもしが必要です。
「バンドック 焚き火シート」の大きさ、素材感などはこちらの動画がわかりやすかったので参考にしてください。
おしゃれなカラーでおすすめの「DOD タキビバビデブー」
おすすめポイント
- シリコン加工で手入れが簡単
- 2色のカラー展開
- 広範囲を守れる
DODのタキビバビデブーは多角形が特徴のガラス繊維の焚き火シートです。両面にシリコン加工を施しており、灰が付いた場合には簡単に汚れをふき取ることができるため、手入れが簡単です。またガラス繊維のチクチクした手触りを軽減し、素手で取り扱いができます。
カーキとタンの2色展開で、どちらもキャンプにあうアースカラーのため見栄えもおしゃれです。
大きさはSMの2サイズがあり、Mサイズは1×1mと大きく広範囲に地面を守れます。また、専用の収納袋がついており、収納や持ち運びに便利です。
「DOD タキビバビデブー」の大きさや素材感、使い勝手などはこちらの動画がわかりやすかったので参考にしてください。
最強の焚き火シート「吉野 スパッタシート プレミアムプラチナ」
おすすめポイント
- しなやかで取り扱いしやすい
- シートが焦げにくい
- ペグ穴付き
老舗スパッタシートメーカーの吉野株式会社が最高級品として展開しているのが「吉野のスパッタシートプレミアムプラチナ」です。
耐炎繊維のため、手触りが良くしなやかで取り扱いがしやすい焚き火シートです。この製品は通常の商品より使用糸料を約1.5倍に増やし、難燃シリコンの両面コーティングによって表面が焦げにくくなっており、耐熱性に優れています。
またペグ穴付きのため、風が強い日でも安心です。
焚き火シート最新人気ランキング
焚き火シートの人気はどのようになっているのか。楽天のバーベキュー・クッキング用品ランキングを元に調査しました。
2022年11月28日~12月4日の期間を対象として楽天が2022年12月7日に公表したバーベキュー・クッキング用品ランキング(売上や取り扱い店舗数などから楽天独自ランキング)を元に、
- 焚き火シートを対象として抽出
- ノーブランド、ショップブランドを除外
- 同一商品の販売店違い、色違い、サイズ違い、オプション違いを除外(最上位のみ掲載)
を行った。また商品情報が不足時はメーカー公式サイトやネットに公開されている取扱説明書の情報を元に追記した。
1位:ZEN Camps 焚き火シート(ガラス繊維シリコン加工95x60cm 3,582円〜)
2位:ChillCamping 焚き火シート(ガラス繊維シリコン加工100x100cm 3,582円〜)
3位:CAMP GREEB 焚き火シート(ガラス繊維シリコン加工60x80cm 1,780円〜)
4位:Kalili 焚き火シート(ガラス繊維80x60cm 1,000円〜)
5位:s-flowme TAKIBI SHEET(ガラス繊維80x60cm 1,100円〜)
6位:SCAMPER 焚き火シート(ガラス繊維60x50cm 850円〜)
7位:Hilander 焚き火シート(ガラス繊維80x80cm 1,280円〜)
8位:South Light 焚き火シート(ガラス繊維100x100cm 880円〜)
まとめ
今回は焚き火をする際に使用する焚き火シートをご紹介しました。
焚き火シートを使うことで、火の粉や熱から地面へのダメージを軽減できます。また地面に残る細かい灰などが減るので次に使用する人への配慮ともなります。
キャンプ場では直火禁止や炭や灰の捨てる場所が指定されているなど、各場所でルールが決まっています。焚き火をする場合は環境に配慮しながら、しっかりルールを守り他のお客さんやキャンプ場の方に迷惑をかけないようにしましょう。
そして皆が気持ちよくキャンプができる環境を作っていき、キャンプを楽しんでください。

タニ ヤオミ
近年はキャンプブームもあり、さまざまなメーカーからデザイン性の高い焚き火台が販売されています。それに伴い、焚き火シートもおしゃれなものが多く販売されています。
焚き火シートは地面の保護のために使用するものですが、そこに自分の好みのスタイルを追加出来たらキャンプがより一層楽しくなるのではないのでしょうか。
そんなデザイン性の高い焚き火シートをいくつか紹介いたします。
Chill camping 焚き火シート、DOD タキビバビデブー
形が六角形でカラーもブラックやオリーブなど落ち着いた色合いが特徴。
FUTURE FOX ナバホ柄焚き火シート
こちらは焚き火シートにナバホ柄がプリントされています。無地が多い焚き火シートなので非常に珍しいタイプです。
トラスコ中山(株)スパッタシート シリカクロス迷彩柄
こちらは商品名通り、迷彩柄の焚き火シートです。プロ仕様のスパッタシートなので実用性も問題なしです。