キャンプの醍醐味は料理やお酒、自然鑑賞など人によってさまざまです。その中でも料理や焚き火の鑑賞で活躍するのが「焚き火台」です。
焚き火台と言っても各アウトドアメーカーから、形状や大きさの違うさまざまな商品が販売されているため、どれを選べばよいか迷っていませんか?
今回は数多くある焚き火台の中から、用途や人数に応じた選び方と、おすすめの4点をご紹介します。あなたにあった焚き火台を見つけ、キャンプ場で焚き火を楽しみましょう。

ハシモト ユウスケ

タニ ヤオミ
焚き火台とは?
焚き火台とは、その名の通り薪を組み焚き火をするためのキャンプギアです。
焚き火の歴史は古く、北京原人の遺跡に焚き火の跡が残っていたことから約50万〜40万年前から人類は焚き火を行っていたことが確かめられています。
その後人類は狩り、明かり、調理、暖炉に火を利用し、それらとともに進化を続けてきました。
しかし現在はIHやガスの普及により直接火を見ることがなくなってきました。火を扱うことでキャンプの醍醐味でもある非日常感を味わえる焚き火台は、キャンプには欠かせない存在です。
特徴
焚き火台の特徴は多くのキャンプ場で焚き火ができることです。焚き火台を使わずに焚き火を行う直火は、ほとんどのキャンプ場で禁止されています。
コールマン、スノーピーク、ユニフレーム、キャプテンスタッグなどの有名なアウトドアメーカーはもちろん、さまざまなメーカーが焚き火台を展開しています。
形状や大きさも多岐にわたり
- 見た目がカッコイイ
- コンパクトで収納性がよい
- 長く使用できる
- 軽くて女性でも組み立てが簡単
など、商品によって、さまざまな特徴があります。
素材もアルミやステンレス、チタンなどがあり重量も違います。さまざまな焚き火台があり迷ってしまいますが、自分のキャンプスタイルと照らし合わせて、自分にあった最高の焚き火台を購入しましょう。

地面がウッドデッキや人工芝などで焚き火台を利用しても焚き火禁止のキャンプ場もあります。
そのようなルールはキャンプ場のチェックイン時に説明がありますので、聞き流さずにちゃんと確認をしましょう。
メリット
メリットは用途によってさまざまですが、大きく以下の3点です。
- ゆらめく炎で癒やされる
- 暖かく暖を取れる
- 料理ができる
まず一番のメリットは「癒やし」です。ゆらゆら燃え上がる炎を鑑賞することで、日常を忘れ、安らぎの時間を過ごすことができます。
その癒やし効果は「1/fゆらぎ」というもので、しばらく暖炉の火の前にいた被験者がリラックスし人生に対する肯定感を向上することを、実験で確かめられています。(参考記事:焚火でリラックスする科学的理由)
夜のキャンプ場で炎を鑑賞してみてください。日常にはない、格別の夜を過ごすことができます。
また燃えあがる炎から暖を取れます。秋冬キャンプはもちろんですが夏場も夜は冷えます。そのため焚き火で暖を取ることで快適に過ごせます。
さらに焚き火台の上に網を載せれば、グリルとして料理することでもできます。兼用にすれば荷物を減らせます。

デメリット
焚き火台を設置するのにも一定のデメリットはあります。使い方や人によって、とらえ方はさまざまですが、一般的なデメリットは以下の3点です。
- 煙がでる
- 薪や炭などが一定量必要
- 大人数の料理には向いていない
ガスバーナーなどと違って、焚き火では服や髪に匂いが付くことになります。燃焼する薪によって香りを楽しむ人がいますがデメリットと感じる人もいるでしょう。
また焚き火はもちろん焚き火台のみでは使用できません。薪や炭などが必要です。落ち葉や枯れ木でも使用できますが火を起こすのに時間がかかったり、うまく燃焼しなかったりとおすすめできません。
カセットコンロであればガスボンベ(CB缶)をコンビニエンスストアでも購入できて、使用量も1回のキャンプで1〜2本で済みます。しかし、薪は1束(約7kg程度)で針葉樹で1〜2時間、広葉樹で3〜4時間程度しか持ちません。
薪はキャンプ場でも購入できるところもありますが、それ以外だとホームセンターやアウトドアショップで購入と調達に手間がかかります。
加えて焚き火で料理は出来ますが、バーベキューグリルなどより調理スペースが少なく火力の調整も難しいです。
3人家族などであれば大丈夫ですが、4人家族だと大きめの焚き火台でないと調理スペースが不足してしまいます。
5人以上の場合はバーベキューグリルやツーバーナーの検討をおすすめします。
焚き火台のよくある質問
種類
焚き火台の種類は大きく
の4つに分けることができます。求める用途や人数、キャンプスタイルに合わせて選んで下さい。種類を理解することで適切に焚き火台を比較できます。
また焚き火台を使用する際には「焚き火シート」を使いましょう。火の粉から地面を守ってくれます。
設置が簡単で扱いやすい「浅型焚き火台」

炎の鑑賞と暖を取るのに向いています。ただし、火の粉が飛びやすいため周囲に配慮が必要です。
浅型の焚き火台はキャンプ場で多くの人が使用しています。設置が簡単で薪を組み替えたり取り出しやすく、火の調整がしやすい焚き火台が多く、初心者におすすめです。
料理がしやすく長時間焚き火を楽しめる「深型焚き火台」

風の影響を受けにくいため料理と長く暖をとることに向いてます。形状が大きめになりがちですが、折り畳み式でコンパクトに収納できる商品も多く販売されています。
燃焼場所が浅型に比べ深く、火の粉が飛びにくくなっています。網の高さを調整したり、焼き網や五徳の付属品がセットになっている商品もあり、料理の幅を広げてくれます。
軽量かつ収納性に優れた「ソロ用焚き火台」

ソロキャンプやツーリング、登山で焚き火をするには「軽量」かつ「コンパクト」な焚き火台が適しています。テーブルの上で使用できるミニモデルなど、収納性に優れコンパクトで、値段が安い商品が多くあります。
コンパクトで軽量な火起こし器「ウッドストーブ」

小型でコンパクトなものが多いウッドストーブ。ネイチャーストーブとも呼ばれます。
二次燃焼を利用した商品が多くあります。
焚き火では高温で熱すると薪から可燃ガスが発生し、そのガスに火が付くことで炎となります。
しかし、可燃ガスの一部は燃えずに、未燃焼ガスとして白い煙となります。その未燃焼ガスを高温の空気を吹き付けて、再燃焼させるのが二次燃焼です。
そのため燃焼性が高く、短時間で燃え、煙が少ないのが特徴です。長い時間の焚き火には向きませんが、湯沸かしなど短時間で火を使用したい場合はおすすめです。
地面を守る「焚き火シート(スパッタシート)」

焚き火シートは焚き火台の下に敷くシートのことです。スパッタシートとも呼ばれます。
耐熱性の高い素材でつくられており、焚き火をする際に発生する火の粉から、芝生への延焼を防いだり地面へのダメージを軽減することで環境への配慮ができます。
焚き火シートを購入する際は、設置する焚き火台の大きさにあったものを選ぶ必要があります。
焚き火台の選び方
焚き火台はアウトドアメーカーの各社からさまざまなモデルが展開されています。選ぶ上で確認すべきポイントは
- 用途
- サイズ
- 準備、手入れのしやすさ
の3点です。みなさんのキャンプスタイルに合わせて、選びましょう。
ポイント1. 用途で決める
a. 炎の鑑賞を楽しむ
炎の鑑賞を楽しむ場合は、浅型で薪のくべやすいものを選びましょう。浅型は燃焼場所が浅いため、炎を鑑賞しやすく薪の組み替えをしやすいものが多くあります。
薪の一般的な長さは約30〜40cmです。そのため薪をくべる場所が約45cm以上あればこぼれないように気を使ったり、切断する必要がなく使用できるので使いやすいです。
b. 暖を取る
夜のキャンプ場は寒く、秋冬はもちろん夏場でも油断は禁物です。しかし焚き火があればストーブなどの暖房器具がなくても暖が取れます。
長く暖を取りたい場合は風の影響を受けにくい深型を選びましょう。夜のキャンプ場でも快適に過ごせます。
c. 料理をする
焚き火で料理をすることで荷物を減らせます。料理をしたい場合は、網焼き付きや五徳付きを選びましょう。
付属品であれば不安定になったりすることがなく使用できるので便利です。 本体に付属していなくても別売りのオプションを購入できる場合もあるので確認しておきましょう。
バーベキューをするなら、通常の薪では火の調整が難しく食材に煙の臭いが付くため、炭を使うようにしましょう。

ポイント2. サイズ(人数)で選ぶ
ソロ、ファミリー、大人数などキャンプをする人数によって、焚き火台の「大きさ(サイズ)」を選びましょう。
ソロキャンプに大型の焚き火台を持って行ってもオーバースペックで、運搬や片付けに手間がかかり邪魔になってしまいます。サイズ選びは重要です。
a. ソロ、デュオキャンプ(1~2名)
収納性が高く、コンパクトなものを選びましょう。展開したサイズの幅と奥行きが約30cm以下のもので焚き火と料理が十分可能です。
b. ファミリーキャンプ(3~4名)
展開したサイズの幅と奥行きが約30〜50cm程度の焚き火台で、後片付けや組み立てが簡単なものを選びましょう。薪もくべやすく使い易いです。
c. 大人数(5名以上)
大人数の場合は展開したサイズの幅と奥行きが約45cm以上のものを選ぶか2つ使いを検討しましょう。
料理をする場合は大きめが良いですが、バーベキューコンロやガスコンロも併用した方が、不自由なく使用できます。

ポイント3. 準備、片付けのしやすさで選ぶ
焚き火は火を起こすのに多少時間がかかります。また、使用後には薪や炭の後処理も必要になります。
なるべく簡単に設置ができて、使用後の片付けがしやすいものを選びましょう。構造が複雑で時間がかかると、せっかくのキャンプを楽しむ時間が減ってしまいます。

おすすめの焚き火台4選
焚き火をする上で必要な焚き火台ですが、各アウトドアメーカーでさまざまなモデルが販売されています。
大きく種類を分けると前述した通り
- 浅型焚き火台
- 深型焚き火台
- ソロ用焚き火台
- ウッドストーブ(ネイチャーストーブ)
に分けられます。
その中でも商品が多岐にわたり、どれを購入すれば良いのか迷ってしまいますよね。そこで数多くある焚き火台の中から、おすすめの焚き火台をご紹介します。
自分のキャンプスタイルや、これからしたいキャンプをイメージしながら確認してください。

初心者におすすめの「ユニフレーム ファイアグリル」
おすすめポイント
- 薪がくべやすい
- 組立て、後片付けが簡単で、収納性も良い
- 抜群の耐久性を誇る
- 質が良く、コスパも良い
ユニフレームのファイヤグリルは使い勝手の良さから初心者はもちろん、熟練者にも絶大な人気を誇ります。
これ1台で「焚き火」「網焼き」「ダッチオーブンでの料理」などすべてができる優れモノです。一番の利点は浅型特有の薪のくべやすさで火の調整がしやすいことです。
ソロ、レギュラー、ラージとサイズ展開も豊富で多く、さまざまキャンプスタイルに適用できます。
また、別売りのオプションが多くあり、料理においても幅広い使い方ができます。質が良く、コスパも良いため、初心者におススメで長く使える商品です。
「ファイヤグリル」の大きさ、設置方法などはこちらの動画がわかりやすかったので参考にしてください。
臭いが気になる方におすすめ!煙の少ない「DOD めちゃもえファイヤー」
おすすめポイント
- 二燃焼で煙が少ない
- 灰が少なく、後片付けが簡単
- コンパクトな収納性
焚き火で薪を燃やすともちろん煙がでます。めちゃもえファイヤーは二次燃焼により煙が少ないため、臭いを抑えて焚き火を楽しみたい方におすすめの焚き火台です。
また、燃焼効率が高いことで灰が少なく後片付けが簡単です。
専用のケースがついておりコンパクトに収納できます。しかし重量が約7.7kgと、コンパクトな割には重さがあるため注意しましょう。
「めちゃもえファイヤー」の大きさ、使い勝手などはこちらの動画がわかりやすかったので参考にしてください。
女性におすすめ、おしゃれな「FUTURE FOX 焚き火台 ナバホ柄」
おすすめポイント
- おしゃれな「ナバホ柄」
- 通気性が良い
- 組立てが簡単
武骨なイメージの焚き火台ですが、側面が「ナバホ柄」で可愛らしさを放っています。柄がメッシュの役割になっており、通気性が良く、焚き火としての性能も高いです。
また組み立ても乗っけるだけと簡単で、女性でも簡単に設置できます。蹄鉄をイメージしたゴトクも標準で付属しており、焚き火料理を楽しみたい方におススメです。
「焚き火台ラバト」の組み立て方法や、焚き火の感じなどはこちらの動画がわかりやすかったので参考にしてください。
最強の焚き火台「スノーピーク 焚き火台」
おすすめポイント
- 設置が簡単で収納性が良い
- 長く使えるシンプルでタフな構造
- 付属品で楽しみ方がいろいろ
タフなステンレス材質と強固なフレームで安定感が抜群のハイスペックな焚き火台です。ダッチオーブンなど重量があるクッカーでも安定して使用できます。
また、別売りですがオプションが数多く販売されています。それらを用いたカスタマイズにより幅広い料理を楽しむことができます。
ただ3〜4人用のLサイズで重量が5.5kgあり一般的な焚き火台より重いです。そのため女性や子供では運搬や取り扱いに苦労するかもしれません。
ハイスペックながら開くだけのワンタッチ構造の折り畳み式になっており、簡単に設置できます。見た目もよく自慢のキャンプギアになるはずです。
セット商品のスターターセットですが焚き火台の大きさ、使い勝手などはこちらの動画がわかりやすかったので参考にしてください。
焚き火台最新人気ランキング
焚き火台の人気はどのようになっているのか。楽天の焚き火台ランキングを元にTOP10を調査しました。
順位 | メーカー名 | 商品名 | 種類 | 重さ | 耐荷重 | 幅・直径 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1位 | コールマン | ファイアーディスク | 浅型 | 1.6kg | 30kg | 45cm | 4,730円 |
2位 | TokyoCamp | 焚き火台 | 浅型 | 985g | 10kg | 40cm | 4,980円 |
3位 | MYSTIC RIDGE | アウトドア折りたたみ式焚火台 | ソロ用 | 739g | 5kg | 26.5cm | 2,980円 |
4位 | ユニフレーム | ファイアグリル | 浅型 | 2.7kg | 20kg | 43cm | 7,500円 |
5位 | FUTURE FOX | ナバホ柄 焚き火台 | 深型 | 4.0kg | - | 45cm | 19,800円 |
6位 | Hilander | 焚き火台 六花 | 深型 | 2.4kg | 5kg(ゴトク) | 38cm | 5,980円 |
7位 | Hill Stone | 焚き火台 | ソロ用 | 714g | - | 39cm | 1,750円 |
8位 | SOLO STOVE | Campfire | ウッドストーブ | 998g | - | 18cm | 13,200円 |
9位 | BUNDOK | 焚き火台 LOTUS | 浅型 | 1.0kg | - | 37cm | 3,990円 |
10位 | Soomloom | アウトドア用折り畳み式バーベキューコンロ | 浅型 | 2.8kg | - | 32cm | 2,590円 |
2022年10月24日~10月30日の期間を対象として楽天が2022年11月2日に公表した焚き火台ランキング(売上や取り扱い店舗数などから楽天独自ランキング)を元に、
- 焚き火台を対象として抽出
- 紛れ込んでいる風防板などは除外
- ノーブランド、ショップブランドを除外
- 同一商品の販売店違い、色違い、サイズ違い、オプション違いを除外(最上位のみ掲載)
を行った。また商品情報が不足時はメーカー公式サイトやネットに公開されている取扱説明書の情報を元に追記した。
焚き火台は日本の中小メーカーのランクインが目立ちます。
1位:コールマン ファイアーディスク
2位:TokyoCamp 焚き火台
3位:MYSTIC RIDGE アウトドア折りたたみ式焚火台
4位:ユニフレーム ファイアグリル
5位:FUTURE FOX ナバホ柄 焚き火台
6位:Hilander 焚き火台 六花
7位:Hill Stone 焚き火台
8位:SOLO STOVE Campfire
9位:BUNDOK 焚き火台 LOTUS
10位:Soomloom アウトドア用折り畳み式バーベキューコンロ
まとめ
皆さまにあった焚き火台を見つけることができたでしょうか。
ご紹介した通り、焚き火台と言っても各アウトドアメーカーから形状や大きさのさまざま商品が展開されています。悩みながらさまざまなキャンプギアを探していくのもキャンプの醍醐味の1つです。
購入する場合は焚き火台の種類を理解し、用途や人数をイメージしてあなたにあった焚き火台を選びましょう。
また近年のキャンプブームにより各メーカーはほぼ毎年新作を発表しています。新作もしっかりチェックしてみてはいかがでしょうか。
キャンプの一番の楽しみは「焚き火だ」という人が数多くいます。キャンプは自然に身をおき生活することで非日常感を味わえるのが魅力の一つです。
大自然の中で料理やお酒を持って焚き火を囲み、温まりながら楽しい時間を過ごしてみませんか。

タニ ヤオミ
一言に焚き火台といっても、さまざまな種類のものがあるので、初めてのキャンプをする時はどの焚き火台にしようかとても悩むと思います。
私のおすすめは、市販の薪(36cm前後)がそのまま入るサイズの焚き火台を選ぶことです。
今までにソロ用、軽量タイプ、大人数用などいくつかの焚き火台を使用してきましたが、薪がそのまま入るサイズが一番便利だと気づきました。
火が消えないように薪を入れ続けたり、くべなおしたり等、実はやることが意外と多い焚き火。初めてのキャンプでは特にあたふたすることが多いと思います。
薪の種類や火の強さによっては、くべた薪があっという間に燃え切ってしまうこともしばしば……。
火をゆっくり楽しむためにも、初めのうちは使いやすい焚き火台をおすすめします。